「マーケティング」といってもさまざまな種類があります。このマーケティングの1つとして、「バイラルマーケティング」がありますが、詳しく知らない方は多いのではないでしょうか。なかには、初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、このバイラルマーケティングについて詳しく解説しています。言葉の意味から具体的なやり方までを、分かりやすくまとめていますので、マーケティング戦略でお困りの方はぜひ参考にしてください。
バイラルマーケティングとは?
バイラルマーケティングとは、SNSやメール、口コミなどを使用して、消費者に向けて自社の商品やサービスについての情報を拡散していくというマーケティング手法です。「バイラル(Viral)」とは、元々は「ウイルス(Virus)性の」という意味の言葉であり、マーケティングにおいてウィルスのように商品やサービスについての情報が人から人に広がっていく様子を指しています。
バズマーケティングとの違い
バズ(Buzz)とは、噂や話題といった意味の言葉で、話題になっている様子を指しています。
意外な取り組みの発表や面白いキャンペーン開始、企業イメージを覆す提案や発言を狙って行うことが、バズマーケティングになります。バズマーケティングの手法としてインフルエンサーを使うケースもあります。
一方、バイラルマーケティングはコンテンツを重要視しています。情報が拡散されやすい環境作りこそ行いますが、本当に良いサービスや商品を作り、自然発生的に口コミが広がっていくことを本質としてます。
インフルエンサーマーケティングとの違い
インフルエンサーマーケティングは、文字通りインフルエンサーに宣伝を依頼し、そのインフルエンサーから消費者に向けて情報を発信してもらいます。
例えば、自社の商品が生活用品であれば、生活用品を紹介しているインスタグラマーに依頼して、ターゲット向けに使用感などを宣伝してもらいます。
このように、ターゲットにする層にマッチしたインフルエンサーに自社の商品やサービスをアピールしてもらうという方法が、インフルエンサーマーケティングです。
バイラルマーケティングと異なり、インフルエンサーから得た情報を消費者が拡散することを狙っているわけではなく、インフルエンサーから発信された情報をみた消費者が、購入や登録、利用などアクションすることを目的にしています。
ステルスマーケティング(ステマ)との違い
ステルスマーケティング(ステマ)は、SNSや口コミを活用して、自社製品をポジティブにアピールしていくという点で、バイラルマーケティングと似ていますが、その口コミを活用する過程で大きな違いがあります。
バイラルマーケティングは、バイラルコンテンツにその商品やサービスの魅力を戦略的に詰め込み、その情報の拡散を消費者やユーザーに委ねています。
しかしながら、ステルスマーケティングは、その情報の拡散に、自社企業が積極的に介入する点で大きく異なります。
例えば、自社商品の社内の内部の人間がポジティブな口コミを記載し、一般の消費者を装って好意的な宣伝を行なっていきます。それにより、良好な印象を与えることができるかも知れませんが、それが外部に漏れた場合は計り知れないマイナスの印象を与える可能性があります。
このように、一気に消費者の信頼を失う可能性もあるマーケティング戦略ですので、昨今ではステマはあまり推奨されていないのが現状です。
また、2023年3月28日の消費者庁の発表で、2023年10月よりステマが法規制の対象となり行政処分を受けることになります。これによって、インフルエンサーマーケティングを行う際にも、PRであることやプロモーションであることを表示する必要がでてきました。
バイラルマーケティングのやり方・ポイント
では実際に、バイラルマーケティングのやり方や気をつけておくポイントを、順を追って解説していきます。
1.魅力的なコンテンツ作り
まずは、バイラルマーケティングを行う際に基盤となる魅力的なコンテンツ作りです。
簡単にいえばバイラルマーケティングは、ユーザーに「自然発生的に」ポジティブに口コミを広げてもらうというマーケティングの手法になります。そのため、ユーザーにとって面白い!感動する!価値が高い!といった、他人に拡散したいと思ってもらえるような魅力的なコンテンツ作りが必要不可欠になります。
バイラルマーケティングを成功させるためには、画像や動画などを活用しながら、ユーザーがシェアしたい!と感じてもらえるような、インパクトがあって魅力的なコンテンツを用意していく必要があります。
2.拡散機能の設置
魅力的なコンテンツができれば、それを簡単に拡散してもらえるような機能を設置します。
シェアボタンの設置や、SNSでシェアされる際のスニペット・画像を作り込んでいき、ユーザーにコンテンツの拡散を促します。
3.拡散メリットの提供
拡散したいと思えるコンテンツや、簡単にシェアできる機能が設置できれば、さらにシェアキャンペーンや友達紹介キャンペーンなど、ユーザーが拡散するメリットを提供していきます。
4.サービス名を埋め込む
無料webシステムやアプリ、メールなどでは、サービス名を埋め込んで宣伝していくという手法もあります。例えば、無料のカメラアプリで、カメラ撮影をした際に、サービス名が端に表示されるといった事例があります。
サービス自体は無料ですが、それと同時に宣伝もされるので、ユーザーがそのサービスを利用すればするほど、宣伝効果は高まっていきます。
5.ターゲット層に合ったメディア
バイラルマーケティングにもさまざまな手法がありますが、大切なのは商品やサービスのターゲット層に合ったメディアを選定していくことです。
例えば、ターゲットが若者であればSNS広告で広めていく方が効果的かも知れませんし、テレビ視聴者が多いシニア層であれば、テレビCMで訴求していく方が効果的かも知れません。ターゲット属性が合致するメディアサイトに記事や広告を出稿することも有効です。
また、その商品やサービスと連動しやすいメディアであることも重要です。ユーザーがすぐに使ってみたいと思えるようなメディアを選択することで、より期待できる効果が発揮されます。
バイラルマーケティングのメリット
ここからは、バイラルマーケティングのメリットを解説していきます。
費用対効果が高い
バイラルマーケティングは、ユーザーから自然発生的に広まっていくため、費用対効果が高いというメリットがあります。
もちろん、魅力的なコンテンツを作るという高いハードルがありますが、これをクリアできれば高額な広告費をかけずに、良質な情報を人から人へと拡散していくことができます。
例えば、動画コンテンツを作るのであれば制作費がかかりますが、アイデア次第でそのコンテンツの内容は変わってきますし、ヒットすればマーケティングの予算が少ない企業でも、大きな効果が期待できるマーケティングの手法です。
ターゲットを絞った訴求が可能
バイラルマーケティングだけに限らずに、口コミの特徴でもありますが、ターゲットを絞った訴求が可能になります。
口コミやシェアは、年齢や好みなどが同じ属性の方の中で広まっていきます。そのため、不特定多数への広告よりも、ターゲット層へ絞ったアプローチが可能で、これまでに狙ったことがないターゲット層に働きかけることができれば、新規の顧客層の開拓にも繋がっていきます。
バイラルマーケティングのデメリット
さまざまなメリットがあることが分かりましたが、バイラルマーケティングのデメリットはどういったものがあるのでしょうか。
ネガティブな口コミの対策が必要
バイラルマーケティングは、商品やサービスに対してのポジティブな口コミが拡散していくことで、効果が最大化されます。そのため、ネガティブな口コミに対しての対応がとても重要になってきます。
ネガティブな評価が散見される商品やサービスに対しては、新規の顧客からすると抵抗感が芽生えてしまいます。そのため、ネガティブな口コミに対してもスピーディーに対処していくことが大切です。こういった姿勢を企業側から見せることで、ネガティブな評価だけで終わらず、消費者との間に信頼関係を築くこともできます。
失敗のリスクがある
広告などは、高い広告費用を積めばある程度のインプレッションを稼ぐことができる手法もあります。しかしながら、バイラルマーケティングは、ユーザーに刺さるコンテンツでなければ、全く拡散されない可能性もあります。
そのため、コンテンツの施策設計や、ユーザーの調査にしっかりと時間をかける必要があり、そのユーザーにどういったアプローチをすれば効果的にヒットさせることができるか、慎重に進めていく必要があります。
違法になったり、不信感を与えてしまう可能性がある
ソーシャルメディアやオンラインの発達によって、消費者は多くの広告を目にするようになり、広告に対しての抵抗感が高まっている状態でもあります。そのため、いくら良心的なサービスを提供したり、キャンペーンを行なっていても、ステルスマーケティングであったり、紹介制度がスパムだと思われてしまうような可能性もあります。
バイラルマーケティングは、良質なコンテンツの設計次第でコストを抑えてマーケティングを行うことができますが、実施しているサービスやキャンペーンに対して、ユーザー目線で不審に思う点がないかなどを考えながら、慎重に提供していく必要があるでしょう。
バイラルマーケティングの成功事例
バイラルマーケティングは、メリットも大きい反面、注意しておかなければならないデメリットがあることも分かりました。
ここからは、実際に効果的なバイラルマーケティングを実施している企業の成功例を紹介していきます。
SNOW
まずは、カメラを使ったコミュニケーションアプリ「SNOW」の事例です。SNOWは、「4.サービス名を埋め込む」で解説した手法が当てはまります。
さまざまな「顔認識スタンプ」や「アナログフィルター」などが楽しめるSNOWでは、撮った写真の右下にロゴが表示される仕組みになっています。これにより、他のユーザーがSNOWというカメラアプリを認知して、拡散されることに成功しています。
Apple
次は、「Apple」での事例です。iPhoneやiPadなど、世界中で人気の高い良質な製品を販売していますが、ここでも「4.サービス名を埋め込む」で紹介した事例でバイラルマーケティングを成功させています。
iPhoneでは、メールを送信する際に、デフォルト設定では「iPhoneから送信」の文言が表示される仕組みになっています。こちらも無料のメールサービスを使用した際に、「iPhone」という製品名が自動的に拡散されるようになっています。
再現性は難しいですが、こういった事例もあると覚えておくといいでしょう。
キリン
次は、「キリン」の成功例です。キリンでは、「プラズマ乳酸菌SPECIAL STUDENT」というWebムービーを制作し、プラズマ乳酸菌の認知と、プラズマ乳酸菌が他の乳酸菌よりも特別であることを、大きくプロモーションしていくことに成功しています。
これは、「1.魅力的なコンテンツ作りの例」で紹介した手法で、面白さに振り切ったプロモーション動画で多くの人にヒットさせることができ、認知拡大に成功しています。
江崎グリコ
最後は、「江崎グリコ」の成功事例です。江崎グリコでは、「2.拡散機能の設置」と「3.拡散メリットの提供」で紹介した手法で、マーケティングに成功させており、「ポッキーの日キャンペーン」や「SNSキャンペーン」、「誰でもできるダンスの普及」で、大きくお菓子の知名度を上げ、売り上げを伸ばしています。今では11月11日がポッキーの日であるということは、かなり周知されていますし、誰でもできる簡単なポッキーをモチーフにしたダンスで流行を生みました。
まとめ:学生に対する訴求はガクセイ協賛
ここまで、バイラルマーケティングの基本情報や、活用していくためのポイント、成功事例などを詳しく紹介しました。
バイラルマーケティングは、魅力的なコンテンツが用意できれば、ローコストでハイリターンを生むことができるマーケティングの手法です。しかしながら、アプローチの仕方を間違えれば大きなリスクを背負うことになりますので、しっかりと戦略を立てて準備することが大切です。
こういったバイラルマーケティングの施策を活用してサービスを訴求したいターゲットは学生ではありませんか?
「ガクセイ協賛」は、大学生を集客したい企業様や、大学生に自社商品を拡散したい企業様に有効なサービスになっています。学生団体、サークル、部活、ゼミの研究室などに資金提供する代わりに、集客などの手伝いを依頼できる協賛プログラムが立ち上げられる、日本最大級の協賛プラットフォームです。
実施している協賛プログラムの例としては、自社製品やサービスなどを大学生向けに使用してもらい、そのPRを行ったり、アンケートに答えてもらうようなものなど様々なプログラムがあります。そのため、学生をターゲットにした商品をプロデュースしている企業様にとっては、とても有益なサービスになっています。ぜひ参考にしてください。