大学生に聞く!家・物件・アパートの探し方、一人暮らしの条件

大学進学を機に一人暮らし(下宿)を検討する方はたくさんいます。「こんな家に住みたい」と新生活が始まると考えるとワクワクするでしょう。

しかし「物件探し」はコツやポイントをしっかり理解しておかないと失敗してしまう可能性もあります。通学が思いのほか面倒だったり、家賃の支払いが苦しいなど失敗のケースは様々。

本記事では、先輩大学生500名に、住んでいる家についてのアンケート調査を行いデータをまとめています。これからのお部屋探しの参考にしてください。

【本記事で取り扱うデータについて】

調査期間:2023年03月17日(金)~2023年03月24日(金)
調査対象:全国、ガクセイ協賛に登録する700大学の学生
調査方法:インターネット調査
回答者数:4年制・短期大学・専門学校を含む学生500名(女性:326・男性:174)

〜 学生集客のためのガクセイ協賛の事例 〜
学生を集客する方法のひとつに「協賛」があります。
その「協賛」にもさまざまな種類があり「何ができるかよくわからない」という担当者様がほとんどではないでしょうか。
イメージできるように、実際の活用事例を簡単にご紹介しています。ぜひご参考ください。
協賛の活用事例を確認する

大学生の「実家暮らし」と「一人暮らし」の割合

Q1.現在住んでいる家は?

「現在住んでいる家は?(N=500)」という質問に対して、大学生で一人暮らしをしている(なにかしらの形で実家を出ている)人の割合は40%でした。

一口に実家を離れると言っても、暮らし方は様々です。現実的な選択肢を挙げるとすると「マンション」「アパート」「学生寮」「シェアハウス」の4つがあります。

マンション

マンションとは鉄筋コンクリート構造の3階建て以上の建物を指します。(マンションとアパートに明確な区別はなく、物件を取り扱う会社が呼び方を決めていますが、本記事では上記の分け方をしています。)

マンションは耐震性や防音性、防犯性が高いことが特徴です。マンションにもよりますが宅配ボックスなど設備が充実していたり、比較的築年数が浅くキレイな物件を探しやすいメリットもあります。

デメリットとしては、アパートに比べると家賃が高くなりやすいことが挙げられます。

アパート

アパートは木造や軽量鉄骨造の2〜3階建ての住宅を指します。マンション同様本記事ではこのような分け方をしています。

アパートを選ぶ最大のメリットは家賃がマンションに比べると安い点にあります。また、物件数が多いため、周辺環境など自分の好みに合った場所を選びやすいという特徴もあります。

そのほか、総戸数が少ないという特徴もあります。お互いの顔が見えやすい総戸数の少ないアパートでは住民同士のつながりが持ちやすいです(人によってはデメリットになることも)。

デメリットとしては耐震性や防音性、防犯性ではマンションに劣ることが多いです。また、バス・トイレが一緒であったり、外観や内装が古風な建物も多いため、好みの条件を見つけるためには事前に優先順位を決めて、良く検討する必要があります。

学生寮・学生会館

一部の学校では、大学が運営する学生専用の住宅もあり「学生寮」と呼ばれています。大学ではなく民間が経営する場合は「学生会館」と呼ばれます。

アパートよりもさらに家賃が安いこと、友人が作りやすいことがメリットです。また、寮によっては食事付きのケースもあるため、食費を抑えたり調理の手間を省くこともできます。

風呂やトイレ・キッチンなどが共有であることが多く、プライベートな空間が少ないことにストレスを感じてしまう人もいるようです。

シェアハウス・同居

シェアハウス用の集合住宅や、少し広めの家に数人で住むといった選択肢もあります。

学生寮と同じく、家賃が安く、友人関係を作りやすいことがメリットであり、プライベート空間が少ないことがデメリットです。

大学生の家・物件・アパート探し方、こだわり条件

Q7.物件・部屋を選ぶ場合の条件について教えてください

先輩大学生が物件探しの際に重要視したポイントを調査するため「物件・部屋を選ぶ場合の条件について教えてください(N=500)」という質問をしました。「重要」と回答した方の割合でランキングを作ると以下のようになります。(「やや重要」と回答した割合については、上のグラフを参照ください。)

1位:家賃
2位:バス・トイレ別
3位:周辺環境
4位:駅やバス停から近い
5位:オートロックなどの防犯性
6位:室内の設備
7位:間取り
8位:部屋の広さ
9位:宅配ボックスの有無
10位:築年数
11位:外観のオシャレさ

1つ1つの項目について以下で解説していきます。

家賃

重要と回答した大学生の割合
男性:76% 女性:79%

やはり最重要の項目は家賃でした。男女問わず1番注目されているポイントです。限られた仕送り・奨学金・バイト代の中で無理なく暮らせる金額を見つけなければいけません。

Q3.現在住んでいる家の家賃は?

具体的に、どの程度の家賃が平均的なのかを調べるために、実家以外で暮らしている人に「現在住んでいる家の家賃は?(N=197)」と追加で質問をしたところ、5万円台がもっともメジャーであることがわかりました。

本調査だけでなく、全国大学生協協同組合連合会が発表している「第57回学生生活実態調査の概要報告」でも、大学生の一人暮らしの家賃平均は1カ月あたり53,920円とされています。

もちろん、地価や立地によっては5万円台を探すことが難しい場合もあるので、その場合は「学生街を探す(駅を調整する)」「駅からの近さを調節する」「グレードを調節する」などのコツが必要になります。

バス・トイレ別

重要と回答した大学生の割合
男性:58% 女性:70%

次に人気の条件は「バス・トイレ別」でした。「LIFULL HOME’S」が2020年に行った設備条件のランキング(家賃や駅チカなどを除く設備のみのランキング)の中ではバス・トイレ別が1位を獲得しています。

とくに女性人気が高く、パーセンテージを牽引しています。こだわる人はバス・トイレ別だけでなく、洗顔や美容をしやすくなることから独立洗面台までを希望しています。

バス・トイレが別であると、「浴室が広い」「トイレ用品の収納が楽」「来客時でもトイレを使いやすい・貸しやすい」「入浴時にニオイが気にならない」など多数のメリットがあります。

反対にバス・トイレ別の条件をつけると家賃が数千円上がってしまうというデメリットもあります。

参考:〈2021年賃貸編〉LIFULL HOME’S人気の設備・条件ランキング

周辺環境(お店の充実・治安の良さ)

重要と回答した大学生の割合
男性:57% 女性:67%

3番目に多く回答が集まったポイントは「周辺環境」でした。

周辺環境をより分解すると、「施設的な要素」と「治安・雰囲気的な要素」の2つに分けることができます。

施設的な要素では、スーパーが圧倒的な人気を誇っています。なんとなくコンビニが近いほうが便利と考えがちですが、先輩大学生からの意見を参考にすると、お弁当から食材、日用品までお得に買い物ができるスーパーの方が暮らしやすさにつながるようです。

また、美容品を求める女子大学生からは「ドラッグストア」の人気が高く、自炊が面倒な男子大学生からは「飲食店」の需要が高いといった男女の違いもあります。

特に大多数の女性が重要視していた治安の良さや雰囲気、騒音などを気にするのであれば「飲み屋街・繁華街」「街頭が少ないエリア」「人通りが少ない」「公園・河川敷の近く」などを避けることがポイントになります。

学校からの近さ

重要と回答した大学生の割合
男性:47% 女性:46%

学校からの近さが大切であると回答した大学生は男女どちらも半数程度でした。

 時間 / 項目 実家 その他家族・親族と同居 一人暮らし シェア、寮、同棲
10分以内 4% 12% 42% 39%
10~20分 3% 19% 34% 22%
20~30分 6% 0% 15% 98%
30~1時間 30% 31% 8% 22%
1時間以上 57% 38% 1% 8%

「家から学校までの通学時間は?(N=500)」と質問したところ、一人暮らしの通学時間目安としては「30分以内」が一般的のようです。

中でも10分以内とする方が42%と大きな割合となりました。せっかく一人暮らしをするのですから、なるべく学校との距離を縮めて通学の時間やコストを減らしておきたいところです。

ただし、都内の学校など徒歩圏内に住むことが難しい場合は徒歩だけでなく電車やバス、自転車、自動車、バイクなど複数の移動手段を掛け合わせて通学することを考えて、物件を選びましょう。

また、学校へのアクセスだけでなくサークル活動やアルバイトでの行動範囲を広めるために、とにかく学校に近い駅ではなく「主要な駅」や「快速が止まる」駅など、利便性を考えて賃貸を選ぶ方も多いです。

オートロック・防犯対策

重要と回答した大学生の割合
男性:28% 女性:61%

女子大学生からは、オートロックなどのセキュリティ面が整備されているかどうかが重要視されています。最も男女で割合に違いが出た項目です。

物件の防犯性を考えるときにポイントとなる項目をまとめてみました。

  • オートロック(エントランスロック)
  • 2階以上の部屋
  • モニター付きインターフォン
  • 防犯カメラ
  • 管理人室がある
  • スマートロック施錠
  • ディンプルキー
  • 駅チカ、明るい通り沿い

一人暮らしが不安だと感じる方は、上記のような対策がされている物件を優先的に探してみるといいでしょう。

駅やバス停からの近さ

重要と回答した大学生の割合
男性:47% 女性:58%

学校からの近さだけでなく、駅やバス停からの近さも物件選びをする際の大事な項目です。

とくに、女子大学生の場合は夜道を歩くことに不安を感じる方が多いです。大学生の場合は授業のあとに夜までバイトする方も多いため、帰宅が遅くなってしまうこともよくあります。なるべくリスクを減らすためには自宅から最寄り駅までの距離を短くすべきでしょう。

不動産情報における所要時間のルールは「徒歩1分=道のり80m」であることを頭に入れて、最寄り駅までどの程度距離があるのかを考えながら物件を検討しましょう。

また、表記されている時間に「信号や踏切待ち」「坂や階段」などは含まれないため、実際にどの程度時間がかかるのかは下見をしておくべきです。

室内の設備

重要と回答した大学生の割合
男性:40% 女性:40%

室内の設備にこだわりたいと考える大学生も一定数いるようです。これから物件探しを始める方のために、よくある室内設備をまとめてみました。

  • システムキッチン
  • IHコンロ
  • 2口以上のコンロ
  • 追い焚き機能
  • 浴室乾燥
  • 独立洗面台
  • ウォシュレット便座
  • 室内洗濯機
  • エアコン
  • 床暖房
  • ケーブルテレビ
  • BSCSアンテナ
  • インターネット無料
  • ウォークインクローゼット

もし、この中に絶対に譲れない項目がある場合は、物件探しの際に条件検索をしてみたり、不動産会社の担当者に要望を伝えるようにしましょう。

インターネットは無料じゃなくても、ネット回線の有無は確認しておいた方が良いです。入居した後に、ネット回線が遅い、工事費用がかかるなど、不満が出るケースがあります。入居後すぐにネットが使えるのか、自分でネット環境を整える必要があるか、何が使えるか確認しましょう。また内覧の時には、自分のスマホの電波があるかの確認もしておいた方が良いでしょう。

間取り

重要と回答した大学生の割合
男性:33% 女性:25%

男子大学生の3人に1人、女子大学生の4人に1人が間取りが重要と考えています。

Q2 現在住んでいる家の間取りは?

実家以外に住んでいる方に、「現在住んでいる家の間取りは?(N=197)」と質問しとところ、家賃などを考慮して、現実的に借りられる間取りは「ワンルーム」か「1K」の2種類です。余裕があり、広い部屋を借りる場合でも1DKでしょう。

間取り / 住居 大学寮 学外の寮 一人暮らし 兄弟などと同居 恋人と同棲 シェアハウス
ワンルーム 10 10 48 0 0 0
1K 3 1 73 1 2 0
1DK 1 2 15 1 0 0
1LDK 1 0 5 2 1 2
2K 0 0 1 2 0 0
2DK 0 1 2 4 0 0
その他 1
(二人部屋)
0 1
(3LDK)
1
(2LDK)
0 1
(一軒家)

一人暮らしの人のみで考えると、「ワンルーム」か「1K」を借りる方が83%で「1DK」まで入れると94%になります。

一部、1LDK以上に住む先輩大学生もいますが、「寝室とは別に勉強部屋が必要だった」や「田舎なので予算の範囲で広い部屋が借りられた」「複数人で住んでいるから」など特別な理由がある方が多いです。

部屋の広さ

重要と回答した大学生の割合
男性:30% 女性:25%

同じ間取りであったとしても、部屋の広さは物件によって異なります。

より広い部屋を求めるのであれば物件情報の「◯畳」や「◯平米」などを気にしてみるといいでしょう(1畳=1.62平米)。

特別広さを気にしないのであれば「20〜25平米」、広い部屋に住みたい場合は「25平米以上」を目安に物件探しをするといいでしょう。

もちろん、数値だけでの判断は禁物です。専有面積のうちキッチンやトイレ、風呂、収納にも場所が使われるため実際に部屋を見て、家具の配置などをイメージしたうえで、どれだけの自由空間ができるかを考えましょう。

宅配ボックスの有無

重要と回答した大学生の割合
男性:21% 女性:26%

宅配ボックスがあることが重要と考える学生も一部います。

宅配ボックスとは、不在時でも荷物の受け取りができる設備のことです。学校の授業にアルバイト、サークル、デートなど何かと家を留守にすることが多い大学生だからこそ、宅配ボックスが便利だと感じる方もいるのでしょう。

ただし、宅配ボックスを完備されているような物件はそのほかのグレードも高く、家賃も高くなりやすいため、時間指定などで上手に計画を立てられる方は無理に要望に入れる必要はないでしょう。

築年数

重要と回答した大学生の割合
男性:20% 女性:19%

築年数を気にするという方は意外と少なく、5人に1人程度の割合です。

もちろん、新しいに越したことはないですが、住みやすさや利便性などを重視する方の方が多いようです。

ただし、古すぎる物件を借りる場合は注意が必要です。設備の充実を求めるのであれば築10年未満(オートロックや宅配ボックス、温水洗浄便座、IHなどが浸透した)、耐震性を求めるのであれば20年未満(2000年に耐震基準が改正された)を目安にしてみるといいでしょう。

外装のオシャレさ

重要と回答した大学生の割合
男性:10% 女性:8%

築年数と同様に外装のオシャレさを求める大学生も少ないです。

自分にとっての暮らしやすさを重視する方が多く、デザイナーズであること、高層であることなど外見的なオシャレさにこだわるという学生はあまりいないようです。

ただし、同じ家賃でも外装の違いはあるため、選択肢を絞ったうえでの最終的な判断軸として外装という項目を頭に入れておくことは大切です。

以上、大学生の住居・賃貸事情の実態調査について解説しました。ガクセイ協賛は、大学生の意識調査などを全国800大学の学生にアンケートを行なっております。商品やサービスのアンケート、就活やバイトに関する意識調査など、大学生へのアンケート調査をご希望の方はご相談ください。

▷ ガクセイ協賛の詳しい情報を確認する