大学生のフードデリバリーの利用率、企業シェア、今後の課題【アンケート調査】

フードデリバリーサービスとは、スマホアプリやウェブサイトからの注文を受け、利用者の自宅に食事を届けるサービスです。近年、急速に普及が進み「珍しいサービス」から「一般的なサービス」へと浸透してきました。
本記事では大学生を対象にアンケート調査を行い、フードデリバリーサービスの利用率やマーケットシェアなどを解説しています。フードデリバリー業界の最新の動向について知りたい方はぜひ参考にしてください。

大学生のフードデリバリーの利用者数・利用率

大学生のフードデリバリーの利用者数・利用率の画像

大学生のフードデリバリーの利用者数・利用率(休日)の画像

大学生を対象に「平日にフードデリバリーをどれくらい利用しますか?」、「休日にフードデリバリーをどれくらい利用しますか?」と質問をしてみたところ、利用経験がある方が約6割、利用したことがない方が約4割であることがわかりました。

利用者の内訳は「1日に1回以上」が2%、「週に2,3回程度」が3%、「1週間に1回程度」が4%、「1か月に1回程度」14%、「数か月に1回程度」が41%となっています。

数か月に1回程度利用する方を除き、月に1回以上は利用する方を定期利用者とすると、大学生の約5人に1人に利用されていることになります。

大学生のフードデリバリー利用者数の推移


画像引用:日本経済新聞

フラー社がアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」を使用して行った調査では、フードデリバリー系アプリの月間利用者数は2021年の8月時点で851万人となっており、前年同月と比較すると約3倍になっています。

そのため、フードデリバリーの利用者は年々増加傾向にあることがわかります。

中食(フードデリバリー)の市場規模拡大

また、アプリの利用者数だけでなく市場規模の調査からも、フードデリバリーの需要が高まっていることがわかります。
フードデリバリーは、飲食店で食事をする「外食」と家庭で食事をする「内食」の中間である「中食産業」に分類されます。中食はフードデリバリー以外にスーパーの惣菜やテイクアウト商品なども含まれます。

フードデリバリーサービスに関連する市場規模等

画像引用:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った「外食と中食の市場規模推移」調査では中食産業の市場規模が年々増加しており、2019年時点で7.3兆円規模になっており、コロナウイルス感染拡大以後さらに急速に増加していると言われています。

利用者増加とコロナの関係性について

フードデリバリーの利用者の増加傾向は2020年の12月ごろから顕著に現れています。新型コロナウイルス蔓延防止のための「自粛期間」が大きく影響しているのでしょう。

フードデリバリーサービスとコロナの影響の画像

実際に当サイトが大学生に行ったアンケート調査でも、「新型コロナ感染拡大前後でフードデリバリー利用状況は変わりましたか?」という質問に対し、「拡大後の利用頻度は増えた」(20%)や「拡大後に初めて利用した」(56%)という回答が集まっています。

また、2021年10月以降、緊急事態宣言が解除されてからも外食産業への人流は2019年比で減少傾向にあり、中食産業は引き続き上昇傾向にあります。
自粛期間をキッカケにサービスが浸透し、サービスの価値に利用者が気づいたことでその後も使われ続けているのでしょう。そのためコロナ収束後もフードデリバリーのニーズは続くと思われます。

フードデリバリーサービスの増加

市場規模の拡大や利用者の増加を受け、フードデリバリーサービスの提供者も増えています。「Uber Eats」や「出前館」などフードデリバリーの走りとなったサービスだけでなく、以下のような新サービスが多数リリースされています。

フードデリバリーサービスカオスマップ画像引用:日本ネット経済新聞

そのため、現在フードデリバリーサービスにおける企業間のシェア争いは激化しています。

フードデリバリーサービスのシェア率

現状、大きなシェアを獲得しているのは「Uber Eats」と「出前館」の2社です。

フードデリバリーサービスのシェア率・ランキングの画像当サイトが大学生に対して行った「利用したことがあるフードデリバリーサービスは?(複数回答可)」という質問では「Uber Eats」が78%、「出前館」52%となりました。

フードデリバリーサービスのシェア率・ランキングの画像2また、「最もよく使うフードデリバリーサービスは?」というアンケートでも「Uber Eats」が60%、「出前館」20%と回答が出ており、2社で全体の80%のシェアを獲得しています。

今後フードデリバリーサービスのシェアランキングに変動はあるのか?

「Uber Eats」や「出前館」が先行サービスとして切り開いた市場に、新たなサービスが参入し、シェアランキングが変動する可能性はあるのでしょうか?

結論、可能性は大いにあると考えられます。

「フードデリバリーサービスを選ぶときに最も重要視するポイントは?」というアンケート調査では、「注文できるメニュー数」や「配達料金」と回答をする方が多く、「知名度」と回答した方は全体の5%程度でした。

フードデリバリーサービスを利用してる大学生は、有名だから何となく利用しているのではなく、サービスの質を比較したうえで利用しているようです。
そのため、よりユーザーニーズに寄り添ったサービスを提供していくことで、先行サービスに負けることなく、市場に食い込んでいけるでしょう。

以下ではより具体的にどのようなサービスを提供すれば、フードデリバリーサービス業界で生き残ることができるのかを大学生のフードデリバリー利用者の意見から逆算的に考え、解説をしています。

激化するフードデリバリーサービス業界で生き残るために

<フードデリバリー利用者が改善してほしいと感じる点>

フードデリバリーに求める改善点の画像

<非利用者が利用しない理由>

フードデリバリーを利用しない理由の画像大学生のフードデリバリー利用者が改善してほしいと感じている点と、非利用者が利用しない理由が概ね一致しています。

大学生のフードデリバリー利用者に対する「フードデリバリーサービスに改善してほしいことは?」という質問でも、非利用者に対する「フードデリバリーを利用しない理由はなんですか」という質問にも同様の意見が集まりました。

  • メニューや店舗の数が少ない
  • 料理や配達の料金が割高
  • 配達エリアが限られる
  • 支払い方法が限られている

以下で1つ1つピックアップして紹介をしていきます。

1.利用者がサービスを知るチャネルを理解する

まずは自社サービスが認知されるための仕組みを作ることが重要です。どんなに質の良いサービスを作ったとしても、適切なチャネルで情報を発信しなければ、効率的に利用者を集めることはできません。

「フードデリバリーサービスを利用し始めたきっかけは?」という質問をしたところ、以下のような結果となりました。

フードデリバリーサービスきっかけの画像

大学生のサービス利用者は「友人や知人の勧め」をサービス利用のきっかけとしている事が多いです。大学生など若年層の人々は情報リテラシーが高く、フードデリバリーに限らずどのようなサービスにおいても、実際の利用者の声や知人友人の意見を参考にする傾向があります。

そのため、友人紹介制度などのシステムを導入することがサービス普及の有効打となるでしょう。

そのほか、「テレビ」などのマスメディアも十分な効果を発揮します。また大学生利用者に対してはSNS上での情報発信も有効となります。

2.利用シーンや理由を理解する

大学生のフードデリバリーサービス利用状況に関する3種類のアンケートを実施しました。

フードデリバリー誰と利用するかの画像まず、「デリバリーで注文するのは誰との食事ですか?」という質問に対しては、「1人」と「同居人」、「客人」という3つの回答がちょうど3:3:3になりました。どのようなシーンでもフードデリバリーサービスが使用される可能性があることがわかります。

フードデリバリーを利用する目的の画像「デリバリーサービスを使うのはどんな時ですか?」という質問に対しては、「普段の自炊の代わりに」が42%、「普段の外食の代わりとして」が40%、「家飲みの食事用に」が15%、「オンライン飲み会の食事用に」が2%となりました。

上述で解説した通り、フードデリバリーは中食産業に該当します。

そのため、利用者の意図として「自炊の代わり」と「外食の代わり」という意見がほぼ半々になる結果となりました。

外食ではなくフードデリバリーを利用する理由の画像「外食をせずにデリバリーサービスを頼む理由は?」という質問に対しては、「家を出るのが面倒だから」が64%、「コロナ対策で外食を控えているから」が19%、「複数の店の品を同時に頼めるから」が5%、「家の方が落ち着いて食事ができるから」が12%となった。

大学生の利用者は、お店との往復や待ち時間、会計などが短縮でき「本来自分で行わなければいけない面倒」を省略できることに、サービスとしての価値を感じています。

そのため、アプリで注文に「お店を利用することと同等の面倒くささ」を感じてしまうとユーザーは離れてしまうでしょう。
「UIをわかりやすくする」や「入力フォームの簡略化」などより便利を追求したサービス改善が求められるでしょう。

3.メニュー・ショップのラインナップを増やす

上述の「フードデリバリーサービスに改善してほしいことは?」という質問に対して、「メニューや店舗の数が少ない」という回答が21%、「配達エリアが限られる」という回答が39%集まりました。

そのため、「提携ショップ数」「ショップで頼めるメニュー」「配達エリア」を改善し、よりユーザーの選択肢を増やしてあげることで、大きな利用者ニーズに答えることができます。

「フードデリバリーでよく頼むメニューは?」という質問の回答は以下の通りとなっています。

フードデリバリーの人気メニューの画像

メニューや提携店舗拡大を実施する際は、「ピザ・パスタ」や「ハンバーガー・フライドチキン」など、より人気のあるお店や商品の優先度を高める必要があります。

4.金額設定をニーズに合わせる

上述の「フードデリバリーサービスに改善してほしいことは?」という質問に対して、最も多かった回答が「料理が割高・配達料金」でした。

大学生のフードデリバリー利用者が1番求めていることは「可能な限り店舗で利用するのと変わらない価格で、デリバリーを利用すること」です。

サービスの性質に対する理解は浸透しており、配達料は一定仕方がないと考えられています(それでも可能な限り低く設定するべきです)。
問題はお店で食べる値段と配達での値段が乖離していることにあります。容器代や手数料を想像することは難しく、いつもの見慣れたメニューがいつもの値段ではないことに違和感を感じてしまうユーザーがいるようです。

価格競争に負けない値段設計を行うか、他社サービスにない付加価値を創造しなければ、フードデリバリー業界において大きなシェアを獲得し続けることは難しいでしょう。

現状の平均利用金額については以下「一度に注文する平均金額は?(料理のみの値段)」という質問の回答を参考にしてください。

フードデリバリー平均利用金額の画像

5.決済方法の多様化

より多様な決済方法に対応したサービスを求めています。

「フードデリバリーサービスで最もよく使う決済方法は?」という質問では「クレジットカード」(44%)、「現金」(32%)、「QR・バーコード決済」(19%)という回答が集まりました。

フードデリバリー決済方法の画像

便利なクレジットカード決済に人気が集まっているものの、大学生利用者においてはまだまだ現金での支払いを望む声が多いようです。

フードデリバリーに追加してほしい決済方法の画像

「どの支払い方法に対応していれば便利だと感じますか?」という質問に対しては「QR・バーコード決済(楽天ペイ、LINE Pay、PayPayなど)」を追加してほしいという声が多く集まっています。

大学生の場合、クレジットカードを持っていない方も多数います。
日本クレジット協会が全国375名の現役大学生に実施した調査(令和元年)によると、約4割はクレジットカードを所有していないようです。

アプリ上で会計まで完了できた方が便利ではあるが、クレジットカードをもっていないため、代わりに「QR・バーコード決済」を希望する方が多いのではないでしょうか。

大学生利用者の意見を汲み取ることの重要性

大学生のフードデリバリー利用者は今後社会人となってからも継続的にサービスを利用したいと考えています。

アンケートの最後に「社会人になったら、フードデリバリーサービスとの付き合い方はどのように変わりそうですか?」という質問をした結果、「増える」と回答した方が61%、「変わらない」と回答した方が22%、「使わない」と回答した方が7%、「減る」と回答した方が5%でした。

大学生というセグメントを切ったうえでのARPU(ユーザー1人あたりの利用額)は、金銭的に余裕がある社会人に比べると低いでしょう。大学生利用者のためにサービスを改善するとなると腰が重いかもしれません。

しかし、将来的に利用していきたいと感じている方が多いことから、1人1人の企業に対する生涯価値は非常に高くなるでしょう。
大学生利用者は「手間や時間が省略できる」というサービスの価値を理解し、企業のファンになっています。こうしたユーザーを離脱させないためにも、大学生が感じる不満や改善してほしい点に目を向けてあげることが大切です。

以上、大学生のフードデリバリー利用率やサービス提供者に求められている改善点などを解説しました。ガクセイ協賛は、大学生の意識調査などを全国600大学の学生にアンケートを行なっております。商品やサービスのアンケート、就活やバイトアンケートなど、大学生へのアンケート調査をご希望の方はご相談ください。

<ガクセイ協賛の詳細はこちら>