本記事では、大学生がしている暑さ(熱中症)対策に注目し、全国の大学生を対象に、実際に使っているグッズや、飲んでいる飲料、対策方法、エアコンの稼働時間をアンケート調査しました。調査概要と質問項目は以下の通りです。
調査対象:全国、ガクセイ協賛に登録する約800の学校の学生
調査方法:インターネット調査
対象者数:4年制・短期大学・専門学校を含む学生323名
対象属性:女性198人、男性125人、性別未回答-人
Q2.外出した時に熱中症対策としてやっていることは何ですか?(n=323)
Q3.どのような飲み物で水分をとりますか?(n=151)
Q4.熱中症対策グッズは何を持っていますか?(n=323)(自由回答)
Q5.夏場はエアコンのある部屋で何時間くらい過ごしますか? (n=323)
若年層は熱中症・暑さにどれだけ気をつけている?
若年層も暑さに対して気をつけています。若さや元気などの理由で、もしかすると青年層・中年層よりは対策がゆるい方もいるかもしれませんが、多くの方が暑さによる不調を防ぐために、自身の体調管理を行っています。
アンケート結果では90%の大学生が「熱中症・暑さに気をつけている」と回答しました。
暑さ対策への意識は、やや男性の方が高いようです。ハンディ型の扇風機を持ったりしているイメージとしては、女性の方が意識が高いと予想していましたが、意外な結果でした。
仮説としては、男性の方が暑がりが多かったり、汗やニオイなどの暑さに対するケアが必要であることや、大学におけるスポーツ・運動部の人口が男性の方が多く、水分補給などの観点で暑さ対策への意識が高いのかもしれません。
みんながしている熱中症・暑さ対策の方法
アンケート結果をもとに具体的な熱中症・暑さ対策方法を紹介します。
みんながやっている対策を知りたい同世代の方も、若年層をターゲットとして商品開発をしている事業者もぜひ参考にしてください。
こまめに水分を取る
もっとも多かった回答は、「こまめに水分を取る」という意見でした。数十年前までは、部活で水を極限まで我慢させられたり、先輩だけ水が飲める(先輩のあとでなければ水を飲めない)などの超体育会系なルールが当たり前でした。
今の世代は、こういった根性論的な風習はなく、水分補給の重要性・水分不足の危険性を十分に教わり、自身や先生がきちんと体調管理に配慮をして学校生活を過ごしています。そのため、水分補給への意識が高くなっているのでしょう。
なるべく日陰に入る
次に多かった意見は「なるべく日陰に入る」です。スポーツの休憩や登下校の移動時など、簡単な心掛けで誰もができる行動であるため意識しているという回答が多く集まったのでしょう。
直射日光を避けることや、温度が低い場所を選ぶことは非常に重要です。ただし日陰だからといって必ずしも体が休まるとは限りません。特に「風通し」は大事な条件となります。風通しが悪く湿度が高い場所は体温が下がりにくく休憩場所としては不向きです。
帽子をかぶる
帽子を被ることでも簡単に暑さ対策ができます。帽子を被るだけで頭(髪の毛)の温度の上昇を9℃近く抑えることができると言われており、有効な対策手段として知られています。
とくに、日本人は黒髪が多く熱を吸収しやすいため帽子で直射日光を防ぐことが大事です。
また、つばの広い帽子であれば同時に日焼け対策ができたり、通気性の良い麦わら帽などであれば蒸れの対策もできます。
塩分・糖分を取るなど、食べ物に気を遣う
最近では、暑さ対策となる食品が販売されています。とくに食塩と糖分は熱中症予防の水分補給として、重要で「日本スポーツ協会」では、0.1〜0.2%の食塩[食塩相当量が0.1〜0.2g(100ml中)]と糖質を含んだものの摂取が推奨されています。
浸透圧という原理が関係しており、消化器官から細胞内へ水分が吸収されやすくなるためです。
ブドウ糖のお菓子であったり、塩飴などのお菓子であったりがコンビニでも販売されており「食」で暑さ対策をするという意識も高まってきています。
熱中症対策グッズを持ち歩く
後述で詳しく紹介しますが、最近ではさまざまな熱中症対策グッズが販売されています。小型の扇風機や、パキッと折るだけで瞬間に冷たくなる製品など、驚くような商品が溢れています。
大人世代からすると馴染のない製品も、新しいものへの適応が早い若年層世代は積極的に暑さ対策に取り入れているようです。
大学生が選ぶ熱中症・暑さ対策の飲み物
熱中症・暑さ対策の方法として最も意見が集まった回答は「水分補給」でしたが、具体的に大学生は何を選んでいるのでしょうか。
もっとも多かった回答は「水やスポーツドリンク」でした。次に多い回答は「麦茶などのお茶系」であり、この2種類の回答がほとんどでした。スポーツドリンクは糖類・クエン酸・ナトリウム・カリウム・マグネシウムなど、多くの栄養素が含まれており、熱中症対策に適した飲み物と言えますが、お茶や水には塩分や糖分が含まれておらず最適とは言えないです。ただ、常温でも飲みやすくこまめに水分補給しやすいので、運動中や長時間暑い場所にいるなどでなければ、十分効果的です。
甘酒や冷えたみそ汁、経口補水液など「熱中症対策ドリンク」の使用は低い結果となりました。
大学生に人気な熱中症・暑さ対策のグッズ
大学生が行っている暑さ対策の方法の中に「熱中症対策グッズを持ち歩く」という回答がありました。本章では具体的にどのようなグッズが流行っているのか、「Q4.熱中症対策グッズは何を持っていますか?(n=323)(自由回答)」と質問しまとめています。
- 扇風機・ハンディファン:120票
- 日傘:56票
- 帽子:36票
- 冷感タオル:21票
- 塩分補給:19票
- ネッククーラー:15票
- タオル:14票
- 冷感スプレー:13票
- 扇子・うちわ:12票
- 水筒:7票
扇風機・ハンディファン
最も回答が多かった暑さ対策グッズは小型扇風機・ハンディファンでした。たしかに、外を歩いていると若年層を中心に多くの方が持っている印象があります。
登場自体はかなり最近というわけではなく、ここ10年ほどでだんだんと普及をしていったイメージです。昔は100円ショップなどで電池で動く小型扇風機が販売されていた記憶があります。
強い風が吹くことや、充電式になったこと、数段階で風力調整ができるようになったこと、軽量化が進んだことなど、製品自体の変化や、SNSなどの話題を広めるツールの発達によって大きく普及が進みました。
少し変わり種ではありますが「ファン」がついたジャケットや作業着もここ数年で大きく普及が進んでいるようです。
日傘
次に多かった回答が「日傘」です。言わば、「日陰を持ち歩く」ことができる日傘は夏の暑さ対策、熱中症対策として有効です。直射日光を避け、髪の毛や肌の温度が上がることを防ぐほか、日焼け対策にもなるため、非常に便利なグッズです。
完全遮光で機能性が高い日傘や、デザイン性の高い日傘など、バリエーションも増えており個性を出しやすいほか、大学生でも手に取りやすい価格帯であることから若年層にも浸透しているのでしょう。
帽子
帽子も日傘と同様に簡単に直射日光を防ぐことができるグッズです。日傘ほど影の範囲が広くないことや素材的に遮光性能が高くない反面、ファッションとして取り入れやすかったり両手が空くなど、メリットも大きいです。
より熱中症対策としての効果を高めた、遮熱効果のある素材で作った帽子や首の後ろまで布があるタイプ(垂れ付き・シールド付き)の帽子も注目されています。
冷感タオル
近年注目されている繊維「クール糸」を使用した「冷却タオル」も若年層の暑さ対策に取り入れられています。表面に触れると冷たさを感じられるほか、 水を含ませると、気化熱の作用によりさらにひんやり感を得ることができます。
前述した3つの商品のように特別持ち歩く・身につけることはなく、普段つかっているハンカチやタオルを冷却素材のものに変えるだけなので、荷物が増えないというメリットもあります。
「梅雨の蒸し暑さに関するアンケート」では、荷物が増えることがストレスであるという若年層の回答も多かったため、普段持ち歩くものが対策グッズになるという観点は大学生にとって嬉しいことなのかもしれません。
塩分補給(塩分チャージ、塩飴)
塩分補給(塩分チャージ、塩飴)ができる商品も普段使っている暑さ対策グッズとして声が上がっていました。若年層は製品だけではなく、食品・お菓子にも注目をしているようです。
前章でも解説しましたが、こうした塩分補給ができる商品は、夏季シーズンにコンビニやスーパーでも多数販売されているため、身近なアイテムとして取り入れられているのでしょう。
ネッククーラー
ネッククーラーは、首にかけるタイプのデバイスで冷却効果がついたものを指します。効果的に首の横や後ろを冷やせるため、熱中症対策および発汗を抑えたいという方から強く指示されています。
紹介したグッズの中では一番最近の発売なのではないでしょうか。
ハンディファンが派生していった商品であり、手が塞がるというデメリット解消のため「首かけ扇風機」が生まれ、さらに冷却機能を搭載したネッククーラーが誕生しました。凍らせて使うタイプの安価なネッククーラーもありますが、こちらは使用可能時間が短いので外出には向かないかもしれません。
そのほか、意見が挙がったグッズ
上記以外にも意見が挙がった熱中症・暑さ対策のグッズをまとめて紹介しています。
・アームカバー
・うちわ・扇子
・冷感シート
・冷感スプレー
・保冷剤
・氷枕
・水筒
・スポーツドリンク
・水、お茶
・タオル
・ハンカチ
・汗拭きシート
・日焼け止め
・エアリズム
冷感シートや汗拭きシート、エアリズムなどの定番商品も回答がありました。
そのほか、昔からの夏の風物詩でもあるうちわや扇子も、現代の大学生から活用しているという声が上がりました。コンパクトで持ち運びやすい利便性は、今も昔も変わらないのでしょう。
【おまけ】大学生のエアコン事情!1日の稼働時間
最後に、おまけとして今回のアンケートに協力してくれた大学生にエアコンの稼働状況について質問をしてみました。
最も多い回答は「6〜9時間」でしたが、そのほか選択肢も満遍なく回答が集まっており、ボリュームが圧倒的に多いということはありませんでした。少数ではありますが18時間以上(ほぼ丸一日)という回答や、まったくつけないという回答もありました。
エアコンの正しい使い方について、いろいろな意見があるため一概には言えませんが、30分以内の短時間の外出であればつけっぱなしの方がお得になるようです。立ち上げの際に多くのパワーを使用するためです。
パナソニック社のコラム“エアコンは「つけっぱなし」でも大丈夫? 24時間利用の賢い使い方”によると、24時間稼働でも製品的な問題はないようです。ただし、お掃除フィルター機能が付いているモデルは、電源がオフのときにお掃除を開始するため適度に消した方が清潔であると記載があります。
参考:https://panasonic.jp/life/air/170037.html
以上、大学生の熱中症対策に関する実態調査について解説しました。ガクセイ協賛は、大学生の意識調査などを全国800大学の学生にアンケートを行なっております。商品やサービスのアンケート、就活やバイトに関する意識調査など、大学生へのアンケート調査をご希望の方はご相談ください。また、フェスや学園祭などに関する協賛をご検討されている方も、ガクセイ協賛をご確認ください。