インターンシップ導入の企業側メリット・デメリットを徹底解説

さまざまな企業で、採用活動の一環として「インターンシップ」が実施されています。受け入れ準備など何かと手間がかかるインターンシップですが、デメリットを払しょくできるほどに、採用活動においてメリットがたくさんあります。本記事では、インターンシップを実施するにあたっての、企業側のメリットについて解説します。

 

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インターンシップのおさらい

インターンシップとは、就職を志望している学生が実際に企業で就業体験をする仕組みのことです。

以下で詳しく説明しますが、採用活動の早期化に対応するためであったり、ミスマッチを減らすためであったり企業メリットが大きいことから実施率は増加傾向にあり、HR総研の調査では57%の企業がインターンシップを実施しているとされています(2023年)。

参考:HR pro

また、マイナビの調査ではインターンシップに参加する学生の割合は83.6%となっています。企業目線でも学生目線でもインターンシップはリクルート活動のプロセスとして「当たり前」となってきています。

参考:edtechzine

インターンシップの企業側メリット、目的

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インターンシップの重要性はすでに解説していますが、この項目では具体的な企業側のメリットについて解説します。

1.ミスマッチを減らす(早期離職対策)

インターンシップを実施することによって、早期離職の対策をすることができます。

厚生労働省が公表しているデータによると、就職後1年目までに退職してしまう割合は、全体の約10~15%ほど存在しています。
同じく厚生労働省のデータによれば、早期離職の原因としてとくに多いのは「給料等の収入が少ない」「労働時間・休日などの条件が悪い」「職場の人間関係が好ましくない」などの理由です。

こうした情報を事前に正しく伝えることができれば、ミスマッチのリスクは減らすことができます。通常の会社説明会、選考だけでは伝えきれない仕事内容や職場の雰囲気、条件の漏れをインターンシップを実施することでなくしていき、学生に正確に企業の実態を把握してもらうようにしてください。

2.優秀な人材をより早く確保できる(採用活動の早期化)

インターンシップが採用において重要視される理由は他社よりも早く採用活動を実施できるためです。

基本的に採用活動のスケジュール(解禁日)については日本経済団体連合会と政府を中心に決められているのですが、インターンシップであれば解禁日よりも早い段階で就活生と接点を持つことが可能です。

数年前よりもインターンシップという概念が世間で定着してきており、実施する企業はかなり増えてきています。もちろん、インターンを取り入れるかどうかは企業の状況によって左右されますが、それでも他社に遅れを取らないように実施を一度検討してみるべきでしょう。

3.採用拡大

インターンシップを実施することによって、企業はより多くの就活生に自社の選考に参加してもらえるようになります。

話題性のあるインターンシップを開催すれば、多くの学生に自社のインターンシップに参加してもらうことができます。多くの学生に自社のことを知ってもらうことができる点は、とくに中小企業において大きなメリットです。

どうしても中小企業は、大手企業に比べると知名度が劣るため、就活生からの注目度はそれほど高くありません。話題になるようなインターンシップを開催することで、まずは就活生の注目を集め、自社の興味を持ってもらうためのキッカケとしてしてもらうことが大切です。

4.優秀な人材の確保

インターンシップを実施することによって、企業は優秀な人材や、求めている人材を多く確保することができます。

一般的な筆記試験や面接試験といった選考だけでは、就活生のすべての能力を見抜くことはできません。思い描いた就活生の人物像と採用した人物に違いがあるといったことは採用シーンではよくあることです。

インターンシップでは実地体験を経ることで選考段階では見抜くことができない就活生の本当の実力や考え方などを把握できます。筆記試験や面接では見抜けない能力を見抜くことにより、企業が本当に求める人材を探し出すことにつながるでしょう。

5.学生の育成期間として活用できる

インターンシップを実施することによって「即戦力」となる人材を育成することができます。

インターンシップの中には、就活生が実際に企業の一員として働いてもらう機会もあります。その中で企業が必要とする人材に必要なスキルを磨いてもらうことによって、本来であれば就職後から習得するスキルやノウハウを、就職前の早い段階から習得してもらうことが可能です。

6.社員の啓発効果、先輩としての意識向上

インターンシップを通して、学生を受け入れることで社員の自己啓発を促すことができます。プログラムを実施し、学生に教える立場として自分たちの仕事を見直すキッカケとなります。

 

インターンシップのタイプ別メリット

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インターンシップには、大きく分けて3つのタイプが存在していましたが、現在(2023年以降)では従来の短期セミナー型やプロジェクト型はインターンシップと称することができなくなりましたします。政府の定義では、インターンシップと呼ぶものは以下の条件が必要になります。

  • 就業体験を伴うもの
  • 一定の期間継続的に行われるもの(5日以上)
  • 単なる業界や会社説明会ではないもの
従来の分類 現在の分類 インターンシップと呼べるか
短期セミナー型 オープン・カンパニー
(1Day仕事体験)
×(就業体験がない)
プロジェクト型 キャリア教育プログラム ×(実務体験ではない)
就業型 インターンシップ (政府の定義に適合)

つまり、従来の分類では「就業型」のみがインターンシップと称するものになっており、採用活動に利用が可能となっています。(例えば、インターン特別ルートの選考など)

一方で、「短期セミナー型」や「プロジェクト型」は実施できないわけではありませんが、学生情報を保持して採用活動に利用することができないため、インターンシップとしてのメリットは半減します。

この項目では、従来の分類を含め、それぞれのタイプごとの企業側のメリットについて解説します。

就業型(中期〜長期)

「就業型(中期〜長期)」とは、学生に実際に企業で働いてもらい実戦経験の中で多くのことを学んでもらうタイプのインターンシップです。

実際に働いてもらうことにより、企業側は参加した学生の適性や隠れた能力を見抜くことができます。3つの分類の中で最もミスマッチを減らす効果があるでしょう。また、採用活動に利用することができ、選考に繋げやすいのも特徴になります。学生側も採用に直結するインターンシップだからこそ参加したいという意欲が高まります。

しかし、数カ月間学生に何をさせるのかをしっかりプログラムとして決めておかなければいけないため、3つのインターンシップの中では最も準備に手間がかかる方法でもあります。

セミナー型(短期)

「短期セミナー型」とは、会議室などの会場に学生を集めて、自社の魅力などを発信する会社説明型のタイプで、現在はオープンカンパニーと名付けられています

必要な準備が、人員と開催場所の確保および資料作製だけであり、開催期間も1日未満と基本的に短いことから、準備にあまりコストがかからない点が大きなメリットです。
一方で、合同説明会などと大きな違いがそれほどありません。仕事体験を含めても、規定日数に達しないため「1Dayインターン」という名称も付けにくく、採用活動に結びつけることもできないので、会社説明会に振り切った方が効果的でしょう。

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プロジェクト型(中期〜長期)

「 プロジェクト型(中期〜長期)」とは、数日間の時間を使って学生に何らかのテーマを与え、グループワークを経て課題を解決してもらうタイプで、現在はキャリア教育プログラムと名付けられています

会社説明型と比較して、企業は学生たちの活動や成果物を観察することで多くの情報を得られます。
また、参加する学生にとっても満足度が高いため、体験談などが学生から口コミで広がることも期待できます。

設定する実施期間は企業によってさまざまですが、あまりに長期化してしまうと参加希望者が減ってしまいます。また、課題を難しくしてしまうと途中で辞めてしまう学生が出てしまう点には注意が必要です。また、プログラムの作成や教育担当者の確保など準備から実施まで時間がかかり、ここで得た学生情報を採用活動に使用することはできません。

 

インターンシップ開催のデメリット、注意点

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最後に、インターンシップを開催するにあたって、企業側のメリットをしっかりと享受するために注意点についても解説します。

費用を投資しても効果がでないリスク

インターンシップを実施しても、投入した費用に対して十分な効果が得られないリスクもあります。

このような事態に陥る最大の原因は「目的を明確にしていない」ことです。インターンシップを実施する目的を明確にしないと、ただコストを投入して学生を集めるだけで企業側に何のメリットももたらしません。
何を目的として学生にインターンシップに参加してもらうのか、計画段階でしっかりと明確化し、明確な目的をもってインターンシップを実施しましょう。

また、インターンシップは就業型のものを指すため、基本的に「有給型」となります。従来のセミナー型やプロジェクト型には「無給型」のものもありましたが、現在のインターンシップでは労働が発生する実務を行うため。基本的には雇用とみなされ、最低賃金の保証が必要になります。いくら支払うのかを事前に決定しておきましょう。インターンシップで必要な書類等の準備については「インターンシップ何をさせる?企業がすべき受け入れ準備」で詳しく解説しておりますので、そちらも参考にしてください。

情報漏えい・利益損失のリスク

インターンシップの実施にあたっては「情報漏えい」や「利益損失」といったリスクがある点に注意する必要があります。

インターンシップを行う中で、学生がトラブルを引き起こす可能性はゼロではありません。機密情報に関する誓約書や、損害に対する対応方法をあらかじめ定めておくことで、リスクを抑えることは可能です。

以上、インターンシップの企業メリットについて解説をしました。
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