事業の発展には、自社にとって最適な人材を雇用することが求められます。
採用活動の対象になる大学生は「文系」と「理系」に分けることができ、企業によっては文系学生を重点的に採用したいと考える場合もあるでしょう。本記事では、文系学生の採用に役立つ情報を解説します。
文系学生の魅力・長所
文系学生とは主に以下の学部に属する学生のことです。
人文系統:文学部/語学部/哲学部/心理学部/歴史学部/考古学部/文化人類学部
社会系統:法学部/経済学部/経営学部/政治学部/商学部/社会学部/国際学部
このような、文系学生を採用するメリットは何なのでしょうか。まずは文系学生の魅力について解説します。
ただし、「文系だから」「理系だけら」と断言できることではありません。性格や能力は「人による」ところが大きいです。以下で紹介する特徴はあくまで傾向であると認識してください。
話す力・聞く力が強い
文系学生は言語能力が高い傾向があります。
そのため、何かを人に正確に伝え正確に受け取ることを得意とします。この力は主に人との信頼関係を築く点で役立つでしょう。
企業において、社内での良好な人間関係の構築を進めます。社員たちがお互いを尊重しつつ、ストレスなく働くことができる環境を作ってくれるでしょう。
また、社外における人間関係の構築においてもコミュニケーション能力が高いことは有利に働きます。自社製品やサービスの特徴を明確に伝え、先方企業の要望を汲み取ったうえでの提案を行うため、信頼関係を構築しやすいです。言語能力の高い人を採用することは企業の売上増加につながるでしょう。
行動力がある・フットワークが軽い
理系学生は、どちらかといえば「論理や理屈」を大事にする慎重な人が多い傾向にあります。一方で文系学生は「経験や直感」を大事にすることが多いです。
そのため、文系学生は「フットワークが軽い・行動が早い」という特徴があります。
さまざまな活動に対して積極的にまず一歩目を踏み出せることが多いです。ビジネスにおいては一時の迷いが重要な商談を逃してしまうケースもあります。優秀な文系学生を採用することで、企業としての機会損失を減らすことができるでしょう。
気持ちを伝えること・汲み取ることができる
文系学生は感受性が豊かであり、自分の気持を伝えたり他人の気持ちを理解することに長けている人が多いという特徴があります。
喜怒哀楽の感情は押し殺せばいいというわけではありません。うまく怒れない場合や喜べない場合、だんだんとストレスが溜まってしまいます。自分の感情を上手に制御しストレスを溜めない人は、常に最大限のパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
また、コミュニティの中に「人の気持を察することが上手い人」が存在することで、社内の良好な人間関係が崩れてしまうリスクを抑えることができます。何でも言える人がいることで集団としての心地良さが大きく変わるでしょう。
ユーモアを大事にする
文系学生はその場の空気を読む能力に長けている傾向があります。ときにはその場の空気を和ますためにユーモアのある発言をすることもあるでしょう。
社員たちが和やかな雰囲気で働くためにはこのような「ノリの良い人」が集団にいることが重要です。仕事上だけの付き合いではなく、社員同士が友人としても仲が良いことで、早期離職などのリスクを軽減することができるでしょう。
複眼的なモノの見方ができる
文系学生は文学や経済学、歴史学、心理学など解が1つではない学問に多く触れています。そのため、1つの物事を多角的に見ることに慣れています。
ビジネスは自社だけでなく、クライアントや生活者、投資者など複数の視点が交差します。そのような状況において自分の先入観に囚われた思考をせず、複眼的な視点で全体を把握することは非常に重要です。
文系学生を採用しプロジェクトにアサインさせることで、面白い角度から問題解決を図るユニークな提案が生まれるかもしれません。
愛社精神が生まれやすい
文系学生は理系学生と比べて仕事に直結するような専門技術を在学中に勉強することが少ないです。言語スキルを活かした通訳の仕事など例外こそありますが、ほとんどの学生が専門スキルを問わない部署に配属され、働きながら技術やスキルを身に着けていきます(営業職・総合職…etc)。
この会社・人から多く学んだという思いから、文系学生は愛社精神が育ちやすいという特徴があります。
文系学生の就活動向
文系学生を採用したいと考えるにあたって、「文系学生が就職活動において何を考えているのか?」を知ることは重要なことです。
以下では文系学生の就活の動向について解説します。
比較的時間に余裕があり多くの企業に応募する
文系学生の就活の傾向として「多くの企業に応募する学生が多い」という特徴があります。
大前提として大学生は文系理系を問わず、勉学やアルバイトで忙しいものです。
ただし、理系学生のように研究室での実験や論文発表などがない分、文系学生は比較的就活に割ける時間が多いです。とくに大学生活の中盤から後半になるとすでに必須単位を取得し終えた学生が増えるため、時間の余裕が生まれます。
「新卒」という、人生において極めて大きなターニングポイントとなるイベントですから、少しでも後悔しない就職をしたいと考える学生は多いでしょう。そのため、特定の業種に決めていたとしても、その業種で複数の企業を就活の選択肢に含める文系学生が多いです。
多くの業界や職種を検討する
文系学生の就活の傾向として「多くの業界・職種を検討する学生が多い」という特徴があります。
例外はありますが、文系学生は理系学生ほどなにか1つの学問に専念するということはしません。総合的な仕事を希望する文系学生が多く見られます。
そのため、在学中に取得した専門的なスキルに沿った就職先を探すのではなく、広い視野で自分の可能性を判断しています。
年度によって「人気や流行り」などはありますが、基本的には多くの業界や職種を総合的に検討する傾向があります。
保険会社、総合商社、メガバンクの人気が高い
2023年の文系学生の就活の傾向として「保険会社・総合商社・メガバンクの人気が高い」という特徴があります。
1.損保ジャパン
2.伊藤忠商事
3.東京海上日動火災保険
4.三菱住友海上火災保険
5.三井住友銀行
6.楽天グループ
7.三菱UFJ銀行
8.ニトリ
9.講談社
10.三菱商事
参考:キャリタス就活(2023)
人気の傾向は変動的ですが、2022年現在では上記のような傾向にあるということを念頭に置いておきましょう。ただし、前述の通り「さまざまな業種を検討する傾向にある」ということも忘れずに、採用活動を進めることをおすすめします。
文系学生と理系学生の就職内定率
文系学生の就活の傾向として「理系学生よりも就職内定率が低い」という特徴があります。
2020年8月1日時点の内定状況は、文系学生が76.9%であるのに対して、理系学生は90.8%と高い数値となっています。内定がサクサク決まる理系に対して、文系は就活が長くなりやすい傾向にあるということです。
理系学生のように自分のスキルに沿って企業を絞り込み徹底的に対策をするのではなく、文系学生は幅広く多くの企業を検討するためでしょう。
この傾向を考えると、採用活動終盤でも理系学生と比較すると文系学生の中にはまだ就職先が決まっていない人もいて、採用するチャンスがあります。
企業としては採用プロモーションのタイミングや期間を検討するうえでの指標となるでしょう。
なお、理系学生の就職傾向について詳しく知りたい方は「理系学生を採用するための最も効率的な方法を徹底解説」の記事を参考にしてください。
まとめ
理系学生は「集客段階での施策が重要」であったのに対して、文系学生は「面接で掘り下げて経験や情熱を確認することが重要」となります。以下のポイントを押さえて採用活動を進めましょう。
- メールなどツールによる自働化を考える
- 面接や評価のテンプレートを作る
- オンライン面接を導入する
- リファラル採用を強化する
- 採用代行サービスを導入する(見直す)
- 人材紹介サービスを導入する(見直す)
- 求人サービスを導入する(見直す)
「ガクセイ協賛」には現在600の大学・5500の団体が登録をしています。多様な学生に対してセグメントを切ったうえで採用活動の告知や、採用に関係するアンケート調査などを効率的に実施できます。興味がある方は、是非ガクセイ協賛までご相談ください。
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