多くの企業は「新卒募集」「会社説明会」「インターンシップ」などのシーンで大学生を集める機会があります。しかし、学生を集めることは容易ではなく、十分な人数を集められないケースも多いでしょう。そこで本記事では、なぜ企業の学生向けイベントに大学生が来てくれないのか、その問題を解消するために何ができるのかについて解説します。
採用募集で学生が集まらない原因
新卒の採用募集などで学生が集まらない理由ですが、大きく分けると以下の2種類の原因が考えられます。
- 社会的な要因
- 自社の要因
1つ目は「社会的要因」です。
例えば「少子化の影響」などのように、社会的な原因により学生が集まらないといった問題です。
この問題はその会社に原因がないため、根本的な原因解決はできませんが、その時代その時代に合わせたやり方で対応していく必要があります。
2つ目が「自社の要因」です。「他社には学生が集まっているが、ウチには来てくれない」といったように、条件は十分であるのに、集客を得られていないケースです。
例えば、以下のような原因が社内に存在すれば、イベントに学生が集まらないのも仕方がないかもしれません。
- 認知度が低い
- 情報発信力が弱い
- 会場のアクセスが悪い
- 説明会の内容が魅力的ではない
社会的な要因と違い、自社の要因は「社内の体制を変える」ことで対応できます。
まずは、学生が来てくれない原因が社内のどこにあるのかを特定して、1つ1つ確実に解消していくことをおすすめします。
以下では自社に学生が集まらない原因を分解して紹介するので、学生が来てくれない原因が社内のどこにあるのかを特定して、1つ1つ確実に解消していくことをおすすめします。
1.認知度が低い
1つ目の原因が、インターンシップや採用情報の発信が適切に学生たちに届いておらず、企業がイベントを開催するとこが認知されていないケースです。
とくに中小企業は大企業と違い、何かアクションを起こさなければ学生の目に触れる機会を増やすことはできません。
適切な媒体・チャネルで情報を発信する必要があります。
2.イベント告知で魅力を伝えられていない
各所で情報発信をし、企業の名前やイベントの開催を告知しているのにも関わらず、学生集客に結びつかないのであれば告知内容に問題があるかもしれません。
企業の魅力や参加することで得られる情報、また日時や開催場所などの基本情報などがわかりやすくアピールできているか再度確認する必要があります。
3.会場のアクセスが悪い
情報発信の方法や、内容が適切であるのに関わらず、それでも集客が伸び悩むのであればそもそも開催場所などの条件が学生に合っていない可能性があります。
企業ビルの最寄り駅が学生たちに人気の路線や駅からかけ離れている場合などは、よりアクセスの良いレンタル会場を利用するなどの工夫ができます。
そのほかにも、地方学生に対して宿泊費を一定額負担するなど「距離」「金銭」「時間」など、その他の事情で参加が見送られていないかを考慮するようにしましょう。
4.イベントの内容が悪い
ここまで、情報発信を適切に行っているのに、学生が集まらない場合はイベントの内容自体に問題があるかもしれません。
より魅力的なプログラムになっているのかを再度確認するようにしてください。
とくに、例年採用イベントを行っている場合はすでに口コミ評判などが出回っており人気がなくなってしまっているかもしれません。
プログラムの問題点を改善していく、ネガティブな口コミの対応をするなどコツコツできることをこなしていきましょう。PDCAを回していくことで「あの会社のインターン(説明会)は面白い」といったプラスの意見が生まれるでしょう。
学生集客の問題解決方法【認知拡大】
上述では、4つの原因を解説しましたが、最も大きな原因は「1.認知度が低い」にあると考えられます。そのため、本記事では認知度が低いという問題を解決するために、情報発信をする11個の手段を紹介します。
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1.学生向けプロモーション施策の実施する
1つ目の方法は「学生向けプロモーション施策の実施する」ことです。
この手法は「企業や商品の認知度が低い、既存の情報発信力が弱い」ことが原因の場合に有効な解決策となります。
プロモーションの内容は企業名の周知であったり、商品情報の拡散であったり、就活イベントの告知であったりとさまざまです。ターゲットとなる集客したい学生がいるところで、彼らが欲しい情報を発信できるかが肝になります。詳しくは「学生向けプロモーション方法一覧!実際の事例を紹介」の記事で解説していますので、そちらもチェックしてください。
2.求人サイトを利用する
2つ目の方法は「求人サイトを利用する」ことです。
集客としては、面を広げることになります。企業の認知度が低く、自社サイトの求人情報だけでは情報発信が足りていない場合、求人サイトを利用することで、多くの学生に向けて情報を届けることができます。
また、「まだ業種や職種など、就職に関する意思が固まっていないが、なんとなくサイトを見ている」といった潜在層にもアプローチが可能です。デメリットとして掲載費用が発生してしまいますが、一度に多くの学生を集めることができれば、1人あたりの採用費用は抑えることができるでしょう。
3.送客サービスを利用する
3つ目の方法は「送客サービスを利用する」ことです。
送客サービスとは、自社の採用ターゲットに合った学生を、会社説明会や採用選考などへと集客してくれるサービスのことをいいます。
この方法のメリットは「希望するターゲットに集中してコストを投入できる」ことです。サービスの利用では事前に「こんな学生が欲しい」というニーズを伝えておき、その条件に合致した学生のみを集客するため、採用とのミスマッチが起こりにくく、工数が削減でき、投入したコストが無駄になりません。
4.スカウトサイトを利用する
4つ目の方法は「スカウトサイトを利用する」ことです。
スカウトサイトとは、就活生が自身のプロフィールを登録し、企業がプロフィール一覧から自社が欲しい人材に対してオファーをするという形式のサービスになります。
企業は自社が欲しい人材に集中してプロモーションできるため、採用のミスマッチが起こりにくく、コスト効率も良いです。ただし、他社も注目しているサービスであるため、優秀な人材は競合他社との取り合いになるでしょう。
5.合同説明会に参加する
5つ目の方法は「合同説明会に参加する」ことです。
合同説明会にはその地域で採用活動をしているさまざまな企業が合同でイベントを開催し、就活生を集めて自社の紹介、質問会や今後の採用スケジュールの説明などを行います。
就活生は合同説明会に注目しているため、自社の認知度がそれほど高くなくても多くの学生と接点を持つことができます。ただし、競合他社も多数出展しているため、その中から自社に注目してもらうためには相応のアピールや工夫が必要になるでしょう。
6.ホームページ、オウンドメディアを利用する
6つ目の方法は「ホームページやオウンドメディアを利用する」ことです。
自社で保有するホームページやオウンドメディアにおいて、学生向けの情報発信コンテンツを用意し、学生にホームページに訪問してもらって情報収集してもらうスタイルとなります。
他社メディア・サービスを活用する場合と比較して、自社の魅力を多角的にアピールすることが可能です。ただし、ページの露出度を高めるためにはSEO対策や広告の打ち出しなども必要となります。集客の基本にはなりますが、ある一定は継続的に工数をかけるか、費用がかかります。
7.SNSで情報を発信する
7つ目の方法は「SNSで情報発信を行う」ことです。
多くの学生が利用しているSNSで情報発信を行うことで、一度の投稿で多くの方に自社の採用情報を見てもらうことができます。
SNSの良いところは「良質な情報は自然に拡散される」ことです。
SNSユーザーが触れた情報の中に「他人にも見てもらいたい」ものがあれば、そこから情報が拡散します。そのため、情報の拡散にコストがかかりません。ただし、情報価値が高い投稿やユニークな投稿でなければ、拡散してもらうことは難しいでしょう。ホームページ同様、最初は閲覧者いないため、工夫して学生の閲覧者を育てていく必要があります。
8.OB・OG訪問、研究室訪問を行う
8つ目の方法は「OBOG訪問、研究室訪問を行う」ことです。
OB・OGの出身大学やゼミや研究室など、ターゲットとする大学に訪問して自社のことを学生にアピールします。例えば「地元で働きたい」「勉強してきた知識を活かしたい」というニーズを持った学生などに効果的なプロモーションを行えます。
ただし、実際に自社の人員を大学に向けて派遣するため、「手間がかかる」というデメリットがあります。会社と同じ地域の大学や、自社の社員の卒業大学などに集中して訪問するなど、どれだけ訪問先を厳選できるかが重要なポイントになるでしょう。
9.大学のキャリアセンターと連携する
9つ目の方法は「大学のキャリアセンターと連携する」ことです。
キャリアセンターとは、大学で就職支援や進路支援のための業務を行う専門部署のことであり、依頼することで会社情報の周知や求人票の設置などをしてもらえます。
キャリアセンターを利用した情報発信は、企業案内やパンフレット、求人票を無料で掲載できるため、コストパフォーマンスに優れています。定期的に採用実績が生まれたり、キャリアセンターと長く連携し続ければ、安定して大学生を集客することができるようになるでしょう。
10.ダイレクトサンプリングを行う
大学のキャンパス前や、最寄り駅などでチラシやリーフレットを配布することで大学生に直接アプローチすることができます。ワンアクションで1人にアプローチすることになるので、効率は高くありませんが確実性が高いです。
大学との連携ができれば、校舎前や駅前だけでなくキャンパス内にブースを出典してサンプリングすることも可能です。
11.大学内広告を活用する
大学内には様々な箇所に有料の広告枠があります。例えば、食堂のトレー広告、割り箸広告などです。無料で求人票の掲載をお願いするだけではなく、こうした有料の広告を併用して活用することでより学生からの注目を集めることができます。
学生集客の問題解決方法【アピールポイント】
もし、学生集客が上手くいかない理由が「認知」ではなく「内容」にあるのであれば、「企業のアピールポイントを再構築する」必要があります。
昨今では、以下のような項目が学生に注目されています。情報を更新する際や、説明会でアピールする際に参考にしてください。
- 共感できる企業理念
- やりがいのある仕事内容
- 競争力や将来性のある事業や商品
- 社内の人間関係が明るい
- 職場環境の利便性が良い(在宅やフレックスの有無)
- 充実した待遇、福利厚生の充実さ
学生が注目する内容を理解したうえで、広告やポスター、WEBページなどのレイアウトをしっかり考え、文字の大きさ、トンマナ、順序などを細かく改善して申し込みや参加人数を最大化できるように改善を重ねていきましょう。
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