大学生向けのマーケティングや採用活動などの目的で「座談会」を実施することもあります。これから学生向けに採用活動目的で座談会を実施したいと考えている場合、どのような準備が必要なのかわからないケースも多いでしょう。本記事では、学生向けの座談会をスムーズに開催するための方法について解説します。
学生向け座談会とは
「座談会」とは、グループを対象にしたインタビュー(グループインタビュー、グルイン)のことです。
学生向けに実施される座談会には「採用活動」における座談会と「商品やサービスの課題発見・改善」を目的とした座談会があります。
- 採用活動としての座談会
- マーケティングとしての座談会
本記事では採用活動を目的として開催される座談会をメインに解説します。
企業が学生座談会の開催する目的
企業が採用活動の一環として座談会を実施する目的は「ミスマッチの発生を防ぐ」ためです。以下では、その内容について詳しく解説します。
学生の本音の部分を見る
合同説明会などの一方向的な説明では、学生の考えを知ることは難しいです。
また、採用面接でも限られた時間内で限定的な質問しかできないため、本音の部分を見ることはなかなかできません。座談会を実施することで質問に対する回答ではなく、学生自身の意見を引き出すことができ、学生がどのような考えを持っているのかを知ったうえで採用活動を進めることが可能です。
現場の雰囲気を見て入社後のイメージを掴んでもらう
自社オフィスで座談会を開催することで、少なからず「現場の空気」を感じてもらうことができます。採用後にすぐ離職する人の中には「職場の雰囲気が合わなかった」という意見も少なくありません。実際に企業の現場を見てもらうことで採用後の認識の錯誤を避けることができ、早期離職のリスクを減らすことが可能です。
応募者同士でコミュニケーションをとってもらう
就職活動に参加する学生同士でコミュニケーションの場を確保することは、企業が採用活動を進める中で重要な効果を発揮します。
座談会という場で互いに意見を交換することで、自分では気づけなかった企業の魅力を発見し、より積極的に就職活動に参加してもらうことができます。また「同期との人間関係」を理由とした早期退職問題の対策にもなるため、積極的に実施したいところです。
自由に質問をしてもらうことで疑問を解消してもらう
学生は、就活においてさまざまな疑問を抱えています。
疑問を解消できないまま就職したとしても、採用後のミスマッチのリスクを大きくするだけであり、早期離職のリスクが大きくなります。座談会という場で自由に疑問を解消してもらうことで、ミスマッチの発生リスクを減らすことができるでしょう。
学生座談会を成功させるためのポイント
学生座談会を実施することで、採用活動においてさまざまなメリットがあることがわかります。では、そんな学生座談会を成功させるためにはどういった点に注意する必要があるのでしょうか。
座談会のテーマを定める
座談会のテーマ・目的は複数あっても良いのですが、「会社の取り組みを知ってもらう」「仕事内容を知ってもらう」など、メインとなるテーマを1つ決定することが必要になります。テーマが曖昧だと学生の参加意欲も減ってしまいますし、参加した学生も何を話し合えば良いのかわからず迷走してしまうでしょう。そのため核となるテーマを必ず決めておくことが重要です。
座談会に参加する社員を決める
核となるテーマを決めたら、それに沿って適した人材(模範となるような社員)を確保する必要があります。テーマが何であるかによって適している人材は異なりますので、その社員を確保するためにも相手のスケジュールの都合上、テーマが決まった段階で可能な限り早めに社員にコンタクトを取り、参加の可否を確認しておきましょう。
学生座談会の形式を決める
座談会を成功させるためには「どの形式で開催するか」を明確に決めておきましょう。
- テーブル形式
- パーティー形式
「テーブル形式(ワールドカフェ形式)」は、参加している学生をいくつかのグループに分けて着席させ、一定時間ごとにメンバーを入れ替えて対話する形式となります。短時間でも多くの学生と交流でき、少人数でリラックスした雰囲気で進行していくので学生の本音を聞きやすいというメリットがあります。
「パーティー形式」は立食パーティーのように飲食物がテーブルに置かれており、参加学生が自由に移動してコミュニケーションできる形式となります。学生が、話したいと思った相手と好きなだけ話せるスタイルであるため、多くの学生から話を聞くことも、特定の人とじっくり話すこともできる自由度の高いスタイルです。
学生座談会を開催するタイミングを決める
座談会を成功させるためには「開催するタイミング」をしっかりと決めておきましょう。
- 説明会のあと
- 説明会と一体化させる
- 選考の途中
「説明会のあと」は、多くの企業で採用している形式であり、事前に告知することで参加学生もしっかりと準備してから参加することができます。
「説明会と一体化させる」は、アットホームな雰囲気の中で進められることが多く、気軽に質問しやすいのが特徴です。
「選考の途中」は、選考の最中に志望度を測ることや、お互いの理解度を深めるための場として開催することができます。
募集方法を決める
座談会を成功させるためには「募集方法」をしっかりと決める必要があります。
- 就職サイトに掲載
- SNSで募集
- 大学や研究室に訪問
- マッチングイベントへの参加
- ガクセイ協賛の活用
「就職サイトに掲載」は、掲載している就職サイトがあれば有効な手段となります。大手就職サイトはチェックしている学生も多いため、多くの学生に座談会を告知・集客できます。
「SNSで募集」は、事前に一定の母集団形成もしくはSNS広告が有効な手段となります。学生を中心に若年層はSNSユーザーが多いので、フォロワー数を確保できれば使い勝手の良い方法です。
「大学や研究室に訪問」は特定の大学・学部などの属性に集中できるため、特定の属性の学生を集めたい場合に役立ちます。デメリットとして手間はかかる点に注意です。
「マッチングイベントへの参加」は、合同説明会などで座談会の告知を行います。競合他社もイベントに参加している可能性が高いため、他社との差別化が重要です。
「ガクセイ協賛」では、新卒採用や座談会の募集など、大学生集客のお手伝いをしています。ご興味ある方は、一度ご相談ください。
オンライン座談会を実施する
座談会を成功させるためには「オンライン座談会」を一つの選択肢として考慮することも重要です。
オンライン座談会はパソコン等で参加することができる、オンライン上で実施される座談会です。自宅のパソコン等から参加できるので、場所・地域を問わずに参加できます。
多くの学生に参加してもらえる可能性が高いですが、顔が見えにくくなってしまうことと、多人数開催の場合だと一方向的なコミュニケーションになりやすい点に注意が必要です。
人数や時間など細かな設定を決める
上記の形式以外にも以下の項目を決めておく必要があります。
- 参加人数(何対何か)
- 時間
- 学生から話を聞ける社員の希望を受けることができるか
- 1人の質問数
人数は1対1のパターンと、学生が複数名のパターンがあります。時間については30分〜1時間程度が一般的です。
また、企業によっては社員を指定できるケースもあります。性別やどの部署で働いている社員なのか希望が出せる方が、明確なイメージを持つ学生にとっては嬉しいです。
進行上、複数名パターンの場合は質問数の上限を設けるケースも多いです。1つから2つまでが一般的でしょう。
学生からの質問を想定しておく
座談会を成功させるためには「学生からの質問をあらかじめ想定しておく」ことが重要です。どんな質問が想定されるかについては、次の項目で詳しく解説します。
学生座談会でよくある質問例
最後に、学生座談会でよくある質問をいくつかピックアップしてみました。
業務に関する質問
1.具体的な業務内容
2.辛いこと大変なこと
3.辛いことの乗り越え方
4.スケジュール、流れ
5.後輩に求めること
6.部下に求めること
7.結果を出している人の特徴
8.特定の業務・部署で大切にしていること
9.ノルマについて
10.他部署との連携について
11.何に気を配っているか
12.無理難題に対する対処方法
「業務」に関する質問は、就職後にどういった業務に就くのかといった疑問を解消するために聞かれることが多いです。企業のホームページの会社説明等ではわからない部分を聞かれる可能性が高いため、実際に業務についている従業員に参加してもらって回答するのが良いでしょう。
事業・会社に関する質問
14.自社の強み
15.商品サービスのアピールポイント
16.サービスや商品開発の経緯
17.LGBTへの理解
18.SDGsに関する取り組み
19.どこどこへの進出理由
20.どこどこからの徹底理由
21.代表や役員の変更理由
22.合併・子会社化の理由
23.今のタイミングでの上場理由
「事業」の独自性や将来性に関する質問や「企業」がどういった方法で社会貢献しているのかといった疑問を解消するために聞かれることが多いです。多くの場合は会社説明のホームページで簡単に説明されているはずなので、ホームページでは解説していない深い部分を中心に回答できるようにしておきましょう。
入社理由・キャリアに関する質問
25.入社後のキャリア
26.新人が◯◯職につくことは可能か
27.長く働く社員の特徴
「入社理由」に関する質問は、既存の社員がどういった理由で入社したのかを問う質問です。入社して間もない社員であれば生の意見を聞きやすいので、新入社員を中心に人員を確保しておくと良い回答をしやすいでしょう。
仕事のやりがいに関する質問
29.どんなスキルを持った人が活躍しているか
30.学生時代の◯◯経験が仕事に活きたシーン
31.新入社員のうちから活躍するためにやるべきこと
32.入社時から成長できたと思うこと
33.モチベーションの保ち方
34.集中力の保ち方
35.入社後も勉強していること
「仕事のやりがい」に関する質問は、その企業に入社することで仕事の中でどんなメリットがあるのかについての質問です。この質問の内容次第で入社後のミスマッチの大小を決める要素の1つとなりますので、従業員の生の意見を反映できる回答をしっかりと用意しておきましょう。
職場環境に関する
37.若手が挑戦できる環境か
38.社員同士の交流の様子
39.上司との交流の様子
40.お昼休みでは何をして過ごすか
41.就業後は何をして過ごすか
42.休みの日は何をして過ごすか
43.残業はどの程度あるか
「職場環境」に関する質問は、入社後にどういった環境で仕事をすることになるのかについての疑問を解消するための質問です。この質問も入社後のミスマッチに大きく関わりますので、会社説明では話していない奥深い回答をすることをおすすめします。
選考に関する質問
44.自社の面接の特徴、印象
45.自社に入社するためにしたこと
46.学生時代どんなことをしていたか
47.企業選びの軸
48.入社時に実現したいと思っていたこと
49.就活の乗り越え方
50.もう一度就活するなら何を大切にするか
51.どの程度OGOB訪問をしたか
52.入社前につけておくべき知識
「選考」に関する質問は、今後の採用選考においてどういった流れになるのかといった疑問を解消する質問です。スケジュールなど現時点で明確に決まっている部分だけ回答しておきましょう。
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