若年層に対してマーケティングを実施するにあたり、さまざまな工夫が必要になります。しかし、ゼロから自社でノウハウを蓄積するには時間がかかってしまいます。
過去のマーケティング事例をチェックすることによって、若年層へのマーケティングのコツを知ることが可能です。本記事では、若年層に対するマーケティングの参考になる事例を解説します。
若年層マーケティングとは
若年層マーケティングとは、10〜20代の若者をターゲットに絞ったマーケティング手法であり、利用するメディアや思考の違いによって、従来のマーケティングとは異なる取り組みも必要となります。
一方で、若年層向けのマーケティングは5年10年すると通常のマーケティングとして定着するケースが多くあります。トレンドや時代の流れに敏感な若者が接しているメディアは、数年後に周囲の大人も当たり前に使うものになる可能性があります。また、5年10年経つと、若者も大人になります。
そのため、若年層に向けたサービスや商品を展開していないマーケティング担当の方も、若年層マーケティングには注目しておくことをお勧めします。
若者の特徴
まず、若年層にターゲットを絞った上でマーケティングを行うためには、現代の若者の特徴を理解する必要があります。
1.最も身近なデバイスはスマホ
デジタルネイティブであることは当然ですが、未就学の頃から親のスマートフォンをいじっていた世代になるでしょう。テレビやPCよりもスマホがもっと身近で、東京都が2022年に発表した「小中高生のスマートフォン所有率」によると、「小学生の約32%、中学生の約80%、高校生の約96%がスマートフォンを所有」というデータがあります。地域による差はあるでしょうが、年々高まっていることを加味すると、中学生以上のほとんどの学生がスマホを持っており、情報の多くをスマホから得ていると考えられます。
2. 個性や多様性を尊重する
現代の若者は、各々の個性を尊重し他者が自分と違うことに対して偏見の少ない世代です。全員が同じものが好きである必要がなく、同調する必要も少なくなります。協調性がないわけではなく、友人同士でも好きなものが異なることに抵抗が少ないようです。
また、自分の好きなものに共感してもらう相手は、隣にいる友人ではなく、SNSやネットのコミュニティ上の同志たちから反応をもらうことができます。コミュニティリテラシーが高く、程よい距離感で複数のコミュニティに属してる人が多く、オンラインとオフラインを分けて付き合いができるようです。
3. コスパとタイパの意識が明確
スマホで口コミ情報や比較情報が得やすいため、コスパが良いか悪いかを調べ、無駄をなくし堅実な消費行動をするのが若者の特徴です。一方で、自分の興味あるものや好きなこと、「推し」などにはお金をつぎ込むことには抵抗が低く、ここに関しては自分と共感できない他者の意見や価値観は関係ありません。前項にもあるように、自分の中の価値基準によって、お金の使い方が明確に分かれてきます。
無駄なお金に対する意識が強いだけでなく、時間に対する意識が強いのが若者の特徴の一つです。googleの検索だけでなくchatGPTなどAIによる瞬時の回答が得られる現代では、知りたいことを探す時間は日に日に短縮されています。知りたくない、興味のないことに時間を取られることを無意味だと感じ、嫌います。一方で、おもしろかったものや価値を感じるものには時間を惜しまず時間を割き、レビューを書いたり体験を共有までするという特徴もあります。
信頼される情報の伝達
テレビCMや情報番組で紹介されることは、現在もマーケティングとして非常に高い反響があります。しかし、若年層においては、テレビを見ない人も多く、テレビに出ているから信頼性が高い、とは判断されないケースもあります。また、友人が良いと言った商品が、必ずしも自分に合っているとは限らないとも判断します。
ある分野で自分と同じ価値観を持っているだろう人から紹介される情報が信頼されます。価値観の合うコミュニティなりSNSのフォローによる繋がりなりが複数あり、情報ソースになっています。
以上を加味して若年層マーケティングを考えると、画一的な誰からも評価されることは難しく、あるジャンルにおける価値観が合致している人に届けることを意識することで、特定の人たちに広がっていく方法が見つかるでしょう。以下に、成功事例を紹介します。
「森永製菓」の若年層マーケティングの成功事例

画像引用:森永製菓株式会社
まず紹介するのは、大手菓子メーカーの「森永製菓」のマーケティング事例です。
企画概要
森永製菓は、バレンタインデー商戦に向けて、自社のチョコレート製品の販売促進を図るためのプロモーション施策を実施しました。
ターゲットは、小学生から高校生までの女子に設定されています。
友人同士でチョコレートをプレゼントする、いわゆる「友チョコ」が流行していることを踏まえて、自社製品を使って手作りのチョコを作るレシピを「友チョコ方程式」という言葉で表現しました。
また「友チョコ方程式ダンス」というオリジナルの歌を作り、インフルエンサーのダンス動画を制作しました。この動画を若年層に人気の動画投稿サイト「ミックスチャンネル」に投稿し、動画を見たユーザーに友チョコ方程式ダンスの自撮り動画を投稿してもらうように促しました。
さらに「女子中高生に人気のダンスユニット」が対象商品を使って友チョコを実際に作っている動画を制作、これをYouTubeなどに公開してその話題を実際の商品の訴求につなげることに成功しました。
注目ポイント
この事例で注目するべきポイントは2つあります。
- TikTokをプラットフォームに選んだこと
- 女子中高生に人気のインフルエンサーを起用したこと
これらをプロモーションに取り入れることにより若年層の注目を集め、ユーザー参加型のキャンペーンをTikTokで打ち出し話題性の確保したことも成功のポイントであるといえます。
「おやつカンパニー」の若年層マーケティングの成功事例

画像引用:PRTIMES
次に紹介するのは、大手菓子メーカーの「おやつカンパニー」のマーケティング事例です。
企画概要
おやつカンパニーは当時、プロテインスナック「BODY STAR」を新商品としてリリースしました。「BODY STAR」は「美味しく手軽にカラダづくり!」をコンセプトとした、筋力トレーニングをしている方をメインターゲットとした商品です。
おやつカンパニーでは「BODY STAR」のプロモーションとして、インスタグラムで活動をしてるフィットネスモデル「宮河マヤ」さんをインフルエンサーに起用しました。
同時に、Instagramにて自宅で実施できるトレーニング動画を投稿する「60秒サーキットリレー」キャンペーンを開催しました。
注目ポイント
この事例で注目するべきポイントは2つあります。
- 商品との親和性が高いインフルエンサーを起用したこと
- Instagramでの認知を高めたうえで、参加型キャンペーンを開催したこと
宮河さんは、日常的に筋力トレーニングやダイエットに関する投稿をインスタグラムで行っていたことから、フォロワーにはトレーニングやダイエットに関心が高いユーザーが集まっていました。
インフルエンサーのフォロワー層と商品のターゲット層をマッチさせたことで、ターゲット層にリーチすることに成功しました。
さらに、インスタグラムユーザーからの商品認知が高まったという状況を活用して、インスタグラム内でトレーニング動画を投稿することを呼びかけるキャンペーンを行ったことで、商品の購入にも目を向けてもらうことにも成功しています。
ユーザー認知を広めるだけではなく、複数のマーケティング施策を行うことでユーザーのネクストアクションを自然と促したことがこの事例のポイントとなります。
「レッドブル」の若年層マーケティングの成功事例

画像引用:Red Bull Student Marketeer
3つ目に紹介するのはエナジードリンクで有名な「レッドブル」のマーケティング事例です。
企画概要
レッドブルは、当時の日本において「若者が飲むエナジー飲料」というジャンルが確立していなかったことを事業の課題としていました。当時のCMの影響もあってか、アリナミンVやタフマンなど、エナジー飲料といえばスーツを着たビジネスマンがここぞというときに飲むものというイメージがありました。
そこでレッドブルは「レッドブルスチューデントマーケティア」という学生アンバサダーを起用しました。学生アンバサダーの主な仕事は自分たちのキャンパス内や担当地域でのサンプリングです。学生アンバサダーは商品と同じ配色をした派手なサンプリングカーに乗って試供品配布活動を行いました。
また、レッドブルはサーフィンやスケボー、クライミング、eスポーツなど若年層がプレイヤーとして活躍するスポーツ大会のスポンサー事業にも力を入れています。
学生アンバサダーの活動や協賛企業としてのプロモーション効果を受け、レッドブルは現在多くの若者から支持を集めるエナジードリンクとなりました。
注目ポイント
この事例で注目するべきポイントは2つあります。
- 学生アンバサダーを起用したこと
- 印象的なサンプリングカーを採用したこと
まず、「栄養ドリンク=中高年が飲むもの」というイメージを払しょくするために、若年層をアンバサダーとして起用した点です。自分たちと同じ年代の学生に商品を配布させることで、関連性が低いと感じていた商品に触れるキッカケを創造しました。
レッドブルブランドを象徴する派手なサンプリングカーを用いたという点にも注目です。ただ単に「同世代の人が配布している」というだけではここまで注目を集めることはなかったでしょう。
まずサンプリングカーで通行人の目を惹き、自分たちの同世代に関連した商品であることを知ってもらい、実際に飲んでみて魅力に触れてもらうという一連の流れを創造したことが成功のカギとなりました。
また、エクストリームスポーツの大会の協賛などを積極的に行ったことも、若者文化に自然と溶け込むことに成功した大きな要因でしょう。同世代から注目を集めるスポーツ、人物との商品を関連させることで、「カッコいい・おしゃれ・流行り」といったイメージを商品に自然と植え付けることに成功しています。
ガクセイ協賛では、全国の大学サークルを含む8,000学生団体が利用しており、集客やプロモーションのお手伝いをしています。レッドブルのようにスポンサープロモーションを活用して、若年層への認知拡大をしたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
「h&s」の若年層マーケティングの成功事例

画像引用:マイナビニュース
最後に紹介するのは、頭皮ケアシャンプーブランド「h&s(P&Gジャパン合同会社)」のマーケティング事例です。
企画概要
h&sは新商品のフケ対策ができるスカルプシャンプーの販促施策として、スパイをモチーフにした自社キャラクター「アンドー」を活用しました。短編アニメーションを制作しYouTubeで公開した結果、わずか2カ月で再生回数が約2000万回を記録しています。
注目ポイント
この事例で注目するべきポイントは3つあります。
- 架空アンバサダーを採用したこと
- アニメーションを採用したこと
- YouTubeで動画を公開したこと
アンバサダーは消費者の代表のような役割を果たします。ターゲット層と同じ悩みを持つインフルエンサーなどを起用することで、消費者に自分ごととして商品を捉えてもらうことができます。
しかし今回のケースでは「フケに悩む男性」がターゲットとなります。特定の人物を起用することは難しいですし、実在の人物を起用してしまっては特定の年齢のイメージが商品についてしまうかもしれません。
そこで、アニメという媒体を使って架空のアンバサダーを採用したことが本事例の注目ポイントです。キャラクターを使って「フケの悩み」をユーモラスに描くことによって「フケ対策シャンプー」というカテゴリーを確立し、多くの男性から共感を得ることに成功しています。
また、アニメーションをYouTubeで公開したことで、多くの若年層に注目されることになりました。「フケの悩みを持つ中高年」ではなく、「フケの悩みを持つ全ての人」をマーケティングの対象としたことが、商品HITのカギとなりました。
上記のように、斬新なアイデアや費用をかけることで若年層に向けたマーケティングは成功するかもしれませんが、何が若年層にヒットするかは運次第という部分もあります。
確実な若年層マーケティングは、若年層がいるところに、若年層に響く商品やサービスのアピールをすることです。「ガクセイ協賛」では、800大学8,000団体が利用する協賛プラットフォームにおいて、大学生にSNSなどでPRしてもらうことができます。ご興味ある方は、ぜひご相談ください。
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