大学のゼミでは、長期間の休みを利用し、ゼミ合宿を行うことがあります。しかし、参加したことのない人にとっては、ゼミ合宿では具体的に何を行うか把握している人は少ないのではないでしょうか。ゼミ合宿を行う目的やメリット、デメリットなどを把握することは、ゼミ合宿に参加するかの決め手になります。
本記事では、ゼミ合宿について詳しく解説します。ゼミ合宿の幹事の方や、参加するか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
ゼミ合宿とは?
ゼミ合宿とは、長期間の休みを利用して、大学の同じゼミに所属する学生と教授などの指導官が集まり、一定期間宿泊をしながらコミュニケーションを深めたり、研究の発表やディスカッションをすることです。理系学生の場合は、ゼミ合宿ではなく「研究室の合宿」と言うことが一般的です。
宿泊期間や行き先は、ゼミによってさまざまですが、一般的には1泊2日や2泊3日と短期間で行うことが多いです。合宿先は国内が多いですが、ゼミの研究内容によっては海外に行くこともあります。
ゼミ合宿を行う目的
ゼミ合宿を行う目的は、ゼミに参加する学生や指導教官の交流や親睦を深めることはもちろんですが、非日常な場所に行くことでリフレッシュしたり、ストレス発散することができます。モチベーションの向上にも繋がるため、学習効率の向上にも期待されています。
ゼミの方針によって合宿内容も異なり、個人研究のプレゼンテーションやディスカッションなどの勉強や研究をメインとする合宿、フィールドワークや観光などの親睦を深めることをメインとする合宿があります。両方の要素を組み合わせたプランが組まれる場合も多いです。
ゼミ合宿の宿泊数や費用
ゼミ合宿を行う際には、宿泊料金や施設利用料、交通費などの費用がかかります。ゼミ合宿に必要な費用は、一般的に生徒たちと自己負担になるケースが多く、旅行費用の相場は1万円から2万5千円未満までが最も多く、日程は「1泊2日」か「2泊3日」のいずれかが一般的です。
ホテルやその他の宿泊施設でも、ゼミ合宿向けのプランが多くあります。大学のセミナーハウスなどを活用すると費用を抑えることができます。また、交通費もできるだけ安く抑えるとすると、ある程度近い場所にするか、または車を出せる人がいるか否かが重要になってきます。
ゼミ合宿を行うシーズン
ゼミ合宿は、夏休みにあたる7月から9月頃が一般的です。ゼミがスタートするのが4月頃で、その頃に顔合わせを含めてやるケースもありますが、ある程度ゼミメンバーで関係性が構築され、研究内容も見え始めた頃に行うケースが多いようです。特に8月中は、サークルや部活の合宿と重なる時期のため、この時期を避けるもしくは、できるだけ早めに準備を進めることで満足度の高いゼミ合宿を行うことができます。
予定日の2から3ヶ月前には準備、予約を行うとスムーズに段取りすることができます。人気の施設はすぐに埋まってしまうため、早めに予約することを心がけましょう。
ゼミ合宿の具体的な活動内容
以下では、具体的に合宿の内容の例を紹介します。
プレゼンテーション
研究内容の発表や論文の中間報告、与えられた課題に対する発表、ゼミや研究室によっては英語でのプレゼンの練習、などもあります。校内でのプレゼンとは異なり、事前準備が重要になってくるため、校外での発表の練習にもなります。
発表後に教授やメンバーから質問やフィードバックなどがあるため、内容だけでなく資料作りや話し方なども改善され、プレゼンスキルが身につきます。
ディスカッション
グループワークとして課題が与えられ、その結論を出すためのディスカッションだったり、各自の研究課題に対するディスカッションなどをする時間が設けられます。
普段のゼミ室や研究室でのディスカッションと異なり、グループが作られてその中でディスカッションするため、新鮮な意見や繋がりを見つけることができます。
論文作成
強制的に論文作成時間を設けられ、各々集中して作業に取り組みます。普段と違う環境だからこそ集中できるタイプと、環境が異なって不便を感じるタイプの人が出てきます。自分の特性を理解するきっかけになるかもしれません。
フィールドワーク
研究テーマに関係する場所で行われるゼミ合宿で行われます。現地で調査を行い、資料や史料の採取などを集め、メンバー同士で情報交換や共同作業を行い、研究に使います。フィールドワークで何を得たか、報告をまとめて発表するケースもあります。
レクリエーション
日常や研究による疲れを観光やレジャーでリフレッシュして、ゼミや研究室の教授やメンバーと親睦を深めましょう!という名目で、ゼミ合宿には用意されています。大体のケースがゼミ合宿の後半に行われます。バーベキューや花火、海水浴や山登り、テニスやフットサル、ボードゲームというのもあったりします。普段のゼミ室や研究室では見ることができない特技や一面を見ることができるのは、ゼミ合宿ならではです。
ゼミ合宿ではどこに行くの?
実際にゼミ合宿に人気の行き先やおすすめのプランとは、どのようなものがあるでしょうか。関東エリアと関西エリアに分けて見ていきましょう。
関東エリア
関東エリアで人気が高いのは、山梨県や静岡県、富士五湖や富士山周辺です。自然豊かであることに加え、富士急ハイランドやアウトレットなどのレジャー施設や、ラフティングやテニスなどのアクティビティを楽しむことができるためおすすめです。
宿泊施設も温泉旅館やホテルだけでなく、コテージやペンションなどバリエーションも豊富です。予算に合わせて、宿泊施設を選ぶことができます。
関西エリア
関西エリアで人気が高いのは兵庫県です。しかし、兵庫県の他にも和歌山県や三重県、岐阜県なども人気です。宿の設備はもちろん重要ですが、コンビニなど近くに買い出しできるお店があるか、持ち込み可能かなども重要なポイントになります。このような要望は、旅行会社に相談し、ベストなプランを作成してもらいましょう。
ゼミ合宿に行く際の移動は、人数が少ない場合や、出発地がバラバラの場合は車を出せる人の車もしくはレンタカーの利用が一般的です。人数が多い場合には、貸切バスもおすすめです。電車で移動するよりも費用を抑えることが可能です。
ゼミ合宿を行う(参加する)メリット
ゼミ合宿を行うメリットには、以下のような点があります。
- 参加者同士の親睦が深まる
- ディスカッションやフィールドワークができる
- モチベーションの向上・リフレッシュ
1つ、1つ詳しく見ていきましょう。
参加者同士の親睦が深まる
ゼミ合宿に参加する一番のメリットは、参加する他のゼミ生や指導教官と親睦を深められることではないでしょうか。「それほど仲良くない人たちと合宿に行くのは抵抗がある」という方も多いでしょう。
しかし、ゼミ合宿では移動や食事だけでなく、24時間一緒に過ごします。そのため、いままであまり接点のなかったゼミ生ともコミュニケーションを取る機会が増え、親睦を深めることができます。社会人になった後でも、ゼミの形態と同じように、グループで仕事を行う場面に出くわすことも少なくありません。そのためにも、ゼミ合宿で団体行動に慣れておくことは大切です。
また、親睦を深めるためにはレクリエーションを行うといいでしょう。BBQや花火、スポーツなどを行ったり、カードゲームやクイズを行ったりすることで、ゼミ合宿に参加しているメンバーみんなで同じものを楽しむことができます。
ゼミ生だけでなく指導教官との距離感も縮まるため、合宿語は指導教官へ意見やアドバイスを求めやすくなり、今後のゼミでの活動がより良いものになるでしょう。
ディスカッションやフィールドワークができる
ゼミ合宿の強みは、フィールドワークを行えることではないでしょうか。フィールドワークといっても内容はさまざまで、日常を離れて現地で調査を行ったり、現地でしか体験できないことができる貴重な時間となります。
また集中して活動が行えるゼミ合宿では、ディスカッションや勉強会を集中して行うことができます。強制的に研究や勉強の時間を設けられていることが多く、課題に取り組みやすい環境づくりも行っているため、普段は集中して活動を行うことが難しい人でも安心です。
モチベーションの向上・リフレッシュ
ゼミとは、同じ分野に興味を持った人たちが集まります。そのため、ゼミ合宿ではゼミ生や指導教官と積極的に意見交換や質問などを行うことができます。ディスカッションやプレゼンテーションの練習などを通して、それぞれの研究に対する考え方や進行度合いの把握もできるため、ゼミ生のモチベーションを高める事ができます。
また、日常生活から離れて普段と違った環境は、気分を変えることができ、発想や思考をリフレッシュできるというメリットがあります。
ゼミ合宿を行う(参加する)デメリット
ゼミ合宿を行う場合、メリットばかりではありません。もちろんデメリットもあります。ゼミ合宿を行うデメリットについては以下の通りです。
- 参加費用がかかる
- 予定を調整することが難しい
- 集団行動に疲れることも
一つずつ、詳しく見ていきましょう。
参加費用がかかる
ゼミ合宿は上記で述べた通り、基本的には参加費は自己負担となっています。合宿先が遠方であったり、期間が長い場合にはそのぶん参加費用も高くなります。バイト代や仕送りをやりくりし生計を立てているゼミ生にとっては、参加費用は痛い出費となります。
また、長期間の休みであればアルバイトなどに時間を費やしたい方も多いでしょう。あまりゼミ活動に時間を費やしたくない方にとって、ゼミ合宿は「時間とお金」がかかるため、デメリットだと感じることもあるでしょう。
※ アルバイトのお役立ち情報をまとめているこちらのサイトも参考にしてください。
予定を調整することが難しい
ゼミ合宿を希望者全員で行う場合、ゼミ生や指導教官、全員の予定を調整し合わせる必要があります。参加人数が多ければ多いほど、予定をあわせることも難しくなり、3年生や4年生は就活やレポートなど、優先しなければいけない予定も多くなります。
参加希望者全員でゼミ合宿を行うためにも、準備、予約は2~3ヶ月前には行うことが重要となります。
集団行動に疲れることも…
親睦を深める良いきっかけとなるゼミ合宿ですが、人間関係を築くことが苦手なゼミ生にとっては、集団行動や人付き合いは疲れてしまうこともあります。宿泊施設が個室で無い場合には、1人になる時間を作ることが難しく、苦痛に感じてしまうゼミ生もいるかもしれません。
また、仲がいい人がいなくて孤立してしまうケースや、折が合わない人とも顔をあわせなければいけないケースもあります。教授や他のゼミ生と親睦を深めることができる反面、人付き合いも求められるため、それを煩わしいと感じる方もいるでしょう。
ゼミ合宿は行う(参加する)べきなのか?
ゼミ合宿は、参加費用が自己負担なため、参加するかは個人の自由になります。集団での行動にストレスを感じてしまう方は無理して参加する必要はありません。しかし、参加費用がネックとなり参加できないメンバーがいることは、とてももったいないことです。
ゼミや研究室に対しても協賛を行っている「ガクセイ協賛」は、全国800大学8,000学生団体が利用している協賛サービスです。ゼミ合宿の費用を協賛で集めることが可能です。プロジェクトとして募集しているアンケートの回答や企業集客に協力することで、協賛をうけることができます。ゼミ合宿の幹事の方は、まずは登録してどんなプロジェクトがあるかチェックしてみてはいかがでしょうか。
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