イベントの開催や運営資金として、多額の資金や多くの物資の提供を必要としている団体は少なくありません。
資金不足の問題を解決する方法として「企業から協賛を受ける(スポンサーになってもらう)」という方法がありますが、協賛企業を探すことは簡単ではありません。本記事では、協賛企業の効率的な集め方などについて解説します。
協賛企業を集めることの難易度の高さ
団体や組織が求める「協賛金」は一般的に、一口数千円〜数万円程度に設定されていることが多いです。
数千円ほどであれば、財務状況に問題のない企業であれば「支払えない」ということはないでしょう。しかし、全ての企業が協賛に快く応じてくれることはありません。
理由は協賛に興味がない企業が多いためです。また、協賛することに魅力を感じてないといったケースもあるでしょう。
協賛企業を集めること自体の難易度は決して高くはありませんが、考えなしに「お金を提供してください」と協賛の募集活動を行っても、成果は得られないのです。そのため、協賛企業を集めるためには効率的・効果的な方法やコツを理解する必要があります。
協賛企業を集める流れ、フロー
企業から協賛を集める活動には、いくつかのステップが存在します。
- 協賛メニューの作成
- 協賛案内ページの作成
- 協賛募集の情報発信
- 企業へのアプローチ
効率的な協賛の集め方を実現するために、まずは協賛募集のおおまかな流れを理解する必要があります。
Part1.協賛メニューの作成
まず最初にやるべきことは「協賛メニューの作成」です。協賛メニューとは、どういった内容の協賛を募集していて、どの程度の資金等を拠出してくれたらどういった内容でリターンを提供できるのかをメニュー(図表)で簡潔に説明したものです。
必要な経費の算出
協賛メニューの作成において、第一に考えるべきことは「経費の算出」です。
例えば100万円必要で、手元に10万円あれば、足りないのは90万円であることがわかり、90万円の協賛金が必要であるということがわかります。要するに「経費算出→予算算出→補えない額の算出」と計算を行うのです。
必要経費の算出にミスがあれば、せっかく協賛金を集めても資金が足りなくなってしまう可能性があります。可能な限り時間をかけ、入念に必要資金の算出を行ってください。
必要な資材・物品のリストアップ
資金の他に「必要物資のリストアップ」も行います。イベントの開催では、「備品」や「景品、配布物」などのように、資金以外に必要になる品物も少なくありません。
必要な品物が何であり、それが何個程度必要なのかを明確にしておくことで、効率よく物品協賛を募ることができます。
協賛特典のリストアップ
最重要の項目は「協賛特典のリストアップ」です。
協賛特典とは、協賛してくれた企業にお礼として提供できることです。一般的に企業をPRしてあげることが協賛特典となります。どのような方法でPRできるのかを洗い出し、特典を豊富に揃えることで、双方にメリットがある協賛関係が築けるでしょう。
協賛メニューの作成
最後に協賛金の金額の設定および金額に応じた協賛特典の設定を行います。
例えば「1口を10,000円に設定し、口数に応じて特典を追加する」といった口数で販売する方法や、「パンフレット掲載は10,000円、会場での看板掲示は15,000円」といった広告枠を販売する方法などがあります。
設定した金額と特典を図表にまとめ、協賛を検討している企業が視覚的に把握しやすいメニューを作るようにしてください。
Part2.協賛案内ページの作成
次に行うべきは「協賛案内のページを作成する」ことです。
自分たちの掲げる思いや活動のコンセプト、上記で作成した協賛メニューを1つの資料、ページにまとめます。
協賛案内のページには、以下の内容を含みましょう。
- ご挨拶/協賛の趣旨
- イベントの詳細情報
- 協賛方法の詳細情報
- 申し込み方法
- 協賛に関する留意点
- お問い合わせ/連絡先
詳しくは「効果的な協賛のご案内ページの作り方と依頼方法」の記事内で解説していますので、そちらを参考にしてください。
Part3.協賛募集の情報発信
次に行うべきことは「協賛募集の情報を発信する」ことです。
自社メディア(ホームページなど)だけの情報発信だけでは、満足に情報発信できない可能性が高いです。いかに多くの人の目に留まるように施策を打つことができるかを考え、可能な限り実行することが重要です。
以下では、情報発信の手段の例を紹介します。
- SNSでの拡散
- メッセージの配信(LINE、メルマガ)
- プレスリリースの作成
- イベント告知サービスの利用
- 動画サイトでの告知
- 紙媒体の作成(折込、ポスティング、掲載、配布)
- ウェブ広告の作成
最近はとくに「SNSによる情報の発信」が効果的な宣伝方法となっています。SNSで情報を発信することの最大の特徴は、情報の拡散性にあります。
自身は最初の1回の投稿をするだけ、多くのユーザーが自分の投稿を拡散してくれます。もちろん、多くの企業の目にも留まるでしょう。
Part4.企業へのアプローチ
最後は「企業へのアプローチ」です。WEB・SNS上で情報発信することで、企業からコンタクトしてくれれば楽なのですが、よほど発信力があるか知名度の高い団体や催し事でもない限り、そうはいかないでしょう。
十分に協賛企業を集めるためには、情報発信するだけでなく、自ら積極的に企業に対してアプローチすることも大切です。
企業の探し方
協賛企業を探す方法としては、以下の方法がおすすめです。
- 営業をかける
- 紹介してもらう(リファラル)
- 協賛プラットフォームを利用する
まずは、企業にアポイントをとって、担当者と打ち合わせをして協賛の約束を取り付ける方法です。時間や工数をかければ、アプローチできる企業の数は比例して伸びます。しかし、中には協賛に興味がない企業も多いため、企業から連絡をもらった場合などと比較すると、効率は低くなるでしょう。
次に、団体のメンバー、OB、顧問、また既存の協賛企業などに協賛に興味を持つ企業を紹介してもらう方法です。協賛契約の成功率は高いですが、紹介してもらえる企業の数には限りがあります。メインの営業方法ではなく、あくまで補助的な方法となるでしょう。
最後に、協賛を検討する企業が多数登録しているプラットフォームサービスを利用する方法があります。例えば「ガクセイ協賛」などが例として挙げられます。協賛に関心がある企業の中から、アプローチをかけることができるため、時間や工数に対する効率は非常に良いでしょう。ただし、サービスによっては料金がかかってしまうことがあるので、確認が必要です。
依頼、提案メールの作成方法
前章の「企業の探し方」で紹介した「営業かける方法」では、自分たちから依頼や提案のメールを送ることになります。
当たり前なことではありますが、分かりづらい提案メールを送ってしまうと、返信率は大きく下がってしまうでしょう。
必要な情報を整理したうえで、シンプルでわかりやすいメールを作成することを心がけてください。
以下に、提案メールで必要となる項目を紹介します。
- 題名とご挨拶
- 協賛品について
- ご協賛のお礼について
- 納品方法について
- お申し込みの方法について
- 連絡先について
メールのテンプレート等に関しては、詳しくは「物品協賛の依頼方法を紹介【メールのテンプレート】」で詳細説明をしているので、そちらも参考にしてください。
【関連リンク】協賛企業・資金調達 | ||
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