団体が企業から協賛を受けるためには募集を行う必要があります。その際、協賛の内容や協賛対象となるイベント等に関する情報を掲載するページ(ウェブサイト)を準備することをおすすめします。本記事では、協賛の案内を行うための「ご案内ページ」の作成方法について解説します。
協賛のご案内ページの構成要素
協賛企業の担当者に適切に情報を伝えるためには、ご案内ページに以下の要素を含ませるといいでしょう。
どれか1つでも欠けてしまうと、欲しい情報が見つからず、担当者の意思決定を長引かせてしまうかもしれません。
- ご挨拶/協賛の趣旨
- イベントの詳細情報
- 協賛方法の詳細情報
- 申し込み方法
- 協賛に関する留意点
- お問い合わせ/連絡先
1.ご挨拶/協賛の趣旨
- 自分たちの紹介する文章
- イベントコンセプトを紹介する文章
- 協賛のお願いする文章
ページの冒頭には「ご挨拶」を掲載するようにしましょう。
挨拶に続いて「協賛の趣旨」についてまとめた文章と「協賛のお願い」を掲載しておくと、協賛のご案内としての「さわり」の部分がしっかりと構築できます。
なお、サイトによっては「ABOUT US」といったページを用意し、詳しい自己紹介をしているケースもあります。
その場合、内容が重複しすぎないように、簡単な紹介でまとめておくことをおすすめします。
2.イベントの概要
次に掲載するのは「イベントの概要」です。協賛を募集しているのがどういったイベントであるのかを簡潔に掲載します。
具体的には、以下の5項目を掲載する必要があります。
- イベントの開催日時
- イベントを行う会場
- イベントの主催者、主催団体
- イベントに参加が見込まれる予定人数
- イベント内で実施する主なプログラム
協賛を検討している企業は、イベントの内容を見て「協賛をすべきか(できるか)」を見定めます。
情報が少ないと、「イメージアップ効果や商品宣伝効果を見込めるか」や「現実的に協賛を準備できるのか」といった判断ができなくなってしまいます。
ただし「ウソ」や「誇張」を記載してしまうと、後々のトラブルの原因になりますので、過去の実績等から鑑みて妥当性のある人数を記載しましょう。
3.協賛方法の詳細情報
画像引用:公益社団法人発明協会
次に掲載するのは「協賛方法に関する詳細情報」です。
どういった内容の協賛を求めていて、どのようなリターンを提供できるのかを明確にします。
具体的に、以下5つの項目は最低限として掲載しておくといいでしょう。
- 協賛の種類
- 協賛メニュー、協賛特典
- 協賛金の使途
- 振込先情報
- 特典実施の報告について
とくに金額と協賛特典をメニュー化した図表は、企業の担当者が「費用対効果」をイメージする重要なポイントとなります。また、一口あたりの金額や広告枠の料金が目に見えてわかることで、協賛しやすさが大きく変わるでしょう。
そのため、掲載する情報はできる限り正確に、細かく掲載することをおすすめします。
情報が曖昧ですと契約を結べない可能性が高まりますし、締結までの連絡工数が増えてしまう可能性もあります。
4.申し込み方法について
引用画像:発明協会製造性開発育成事業協賛申込書
次に掲載するのは「協賛する際の申し込み方法」です。
申し込み方法を掲載しておかないと「協賛しようと考えているけれど、どこに連絡すれば良いのだろうか?」と担当者が迷ってしまいます。
- 申し込み方法の説明
- 申し込みフォーム
- 申込書(PDF)
- 申し込み期限
- 申し込み先(送付の場合)
ネット上で情報のやりとりが完結する方式であれば、タイムロスを防いで情報のやりとりを済ませることができます。専用のフォームをサイト上に用意しておけば、スムーズに申し込み手続きを済ませることができるでしょう。
「申込書」を郵送でやり取りする場合には、以下の情報を掲載したフォーマットをPDFファイルなどで用意し、ダウンロードできるように設定してします。
- 協賛する企業の名称
- 協賛する企業の所在住所
- 協賛企業の担当者名
- 協賛企業の連絡先(電話番号、Eメールアドレス等)
- 請求先情報
- 協賛する内容(協賛メニューの選択肢、協賛金の口数など)
5.協賛に関する留意点
画像引用:横浜開港祭
次に掲載するのは「協賛に関する留意点」です。
留意点を掲載することで、後々のトラブルの発生リスクを抑えることができます。具体的には、以下のような内容を掲載しておくことが多いです。
- 協賛のリターンとしての広告宣伝に関する注意点
- 贈答品によるリターンの場合の個別配送等の留意
- 天候等を理由としたイベント中止時の協賛金の返金等の対応について
イベントの内容によって、ここで掲載しておくべき情報の種類は大幅に異なります。イベントの開催をシミュレートし、起こり得るトラブル等に前もって対処できるように、万全の情報を掲載しておきましょう。
6.お問い合わせ/連絡先
最後に掲載するのは「お問い合わせの連絡先」です。
具体的には以下の情報を掲載しておくといいでしょう。
- 主催者名
- 住所
- 担当者名
- 電話番号
- FAX
- ホームページリンク
どれだけ上記までの内容を充実させたとしても、企業側にとって不明な点や確認しておきたい点はどうしても発生するでしょう。
相手企業からの質問などにサポートできるように、窓口となる連絡先をきちんと明記してください。
電話やFAXなど、可能な限り利用できるすべての連絡先情報を掲載しておくことをおすすめします。
協賛金依頼メールのテンプレート
最後に、協賛金募集をEメールやお手紙で依頼する場合のテンプレートの一例を紹介しておきます。
上記の流れに沿って、ご案内ページを作成しておけば、情報の多くは「ご案内ページ」に誘導して説明することになるため、依頼メールで、詳しい内容を書き込む必要はありません。
該当のページに移動しやすいようにサイトのURLを掲載しておきましょう。
令和◯年◯月◯日
(会社名・団体名)株式会社 御中
◯◯(団体名)
◯◯(担当者名)
◯◯(イベント名)における協賛のお願い
拝啓
貴社におかれましては、ますます清祥のこととお慶び申し上げます。
平素より(団体名)の(イベント名)につき、ご協力をたまわりお礼申し上げます。
さて、本年も〇月〇日に(イベント名)を開催することとなりました。
つきましては、ご協賛をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。
なお、ご協賛の内容につきましては下記にご案内ページの(サイトURL / PDF資料)を添付させていただきます。
なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。
敬具
◯◯(イベント名)のご協賛に関するご案内ページ(URL)
以上
以上、効果的な協賛のご案内ページの作り方を実際のサイトを紹介しつつ解説しました。ぜひ、本記事で紹介したページの構成要素をご案内ページの作成や改修にお役立てください。
今回は協賛企業を集める方法の中でも「ご案内ページを制作して情報発信を行う」という方法に注目して解説しましたが、十分に協賛金を集めるためには、その他の方法にもチャレンジしてみることをおすすめします。
例えば「ガクセイ協賛」のようなプラットフォームを利用することが挙げられます。
本サービスでは、企業が作成したプロジェクトが多数掲載されています。利用者は達成条件と報酬を見ながら自由にプロジェクトを選択することができます。企業からの連絡を待つ方法だけではなく、こうしたサービスを通じて企業に自分たちからアプローチすることも大切です。
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