企業に協賛を依頼するにあたって「物品協賛」を依頼する場合には、さまざまなやりとりを企業の担当者と交わす必要があります。その際、少しでも連絡の手間を簡略化するためには、各やりとりにおける「テンプレート」を利用するのがおすすめです。そこで、物品協賛の依頼をする際のメールに役立つテンプレートを、場面ごとに分けて紹介します。
物品協賛依頼に必要な要素
企業に物品協賛の依頼をするにあたって、そのメールの構成要素は大きく6つに分けることができます。
- 題名とご挨拶
- 協賛品について
- ご協賛のお礼について
- 納品方法について
- お申し込みの方法について
- 連絡先について
それぞれの構成要素ごとに記載するべき情報は大きく異なります。必要事項を記入していなかったり、余計な内容を含めていたりすると、スムーズなやりとりは難しくなってしまうでしょう。
以下で各項目について詳しく解説します。
物品協賛依頼のテンプレート
ここからは、6つのステップそれぞれのメールにおいて記載するべき項目と、メールの記述において注意するべきポイントについてまとめました。
企業に送るメールの雛形作成に役立ててください。
題名とご挨拶
(会社名・団体名)株式会社
御中
(依頼元会社名・団体名)
(イベント名)における物品協賛のお願い
拝啓
貴社におかれましては、ますます清祥のこととお慶び申し上げます。平素より(団体名)の(イベント名)につき、ご協力をたまわりお礼申し上げます。さて、本年も〇月〇日に(イベント名)を開催することとなりました。
つきましては、下記のとおりご協賛をたまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。
まずは「メールの題名」および「相手企業への挨拶」となります。
例文は少し堅い印象を受けるかもしれませんが、このくらいきちんとした文面の方が担当者に良い印象を持ってもらうことができるでしょう。
注意するべきポイントは、どのようなイベントを開催するかを明確に記載することです。挨拶の段階でそこまで具体的に情報を記載する必要はありませんが、最低限どのようなイベントのために協賛を依頼しているのかがわかるような内容に仕上げましょう。
(会社名・団体名)株式会社
御中
(依頼元会社名・団体名)
(イベント名)における物品協賛のお願い
突然のご連絡、失礼いたします。私は、(団体名)の(担当者名)と申します。
この度、私達(団体名)は◯◯を目的としたイベント「(イベント名)」を◯月◯日に開催することとなりました。
「(イベント名)」の運営に使用する、ご協賛を提供していただけないかご相談をさせていただきたく、ご連絡差し上げました。
大変お忙しい中、恐縮ではございますがご確認をいただけますと幸いです。
1つ目の事例は「すでに協賛を受けたことがある企業に、再度の協賛を依頼する場合のメール」でしたが、今度は「新しく協賛企業を探す際に送るためのメール」について解説します。
新しく協賛企業を探すにあたっては、さらに慎重にメールの文章を仕上げなければなりません。
注意するべきポイントは変わらず、どのようなイベントを開催するかを明確に記載することなのですが、加えて自分たちがどのような団体であるのかを簡単に説明できるといいでしょう。
協賛企業として紹介されるにあたって、よくわからない相手にプロモーションされたくないと考えます。相手企業の担当者に良くない印象を植え付けてしまうことは絶対に避けなければなりません。
協賛品について
- 指定パターン
- 選択パターン
- 自由パターン
企業に物品協賛を依頼するにあたって、上記の3種類の形式から企業に物品協賛を依頼することになります。
■ご協賛いただきたいものについて
(商品名):(数量)
(商品名):(数量)
(商品名):(数量)
をご提供くださいますようお願いいたします。
指定パターンでは「品物名」および「指定した品物の提供数量」を具体的に指定することになります。
必要品目と必要個数が厳密に決まっており、それを過不足なく企業に提供して欲しい場合にこの形式をとることになります。
数量を指定して協賛を依頼することになりますので、要求内容次第では企業側に相応の負担を強いることになります。現実的な数量を提示し、期間に余裕をもって依頼メールを送るようにしましょう。
■ご協賛いただきたいものについて
【広報用】
掲示物:看板、旗、横断幕
印刷物:フライヤー、ポスター
【運営用】
環境美化:軍手,タオル,ごみ袋
業務用品:事務用品、スタッフ衣装(Tシャツ、帽子)、機材の貸与
【配布用】
無料配布:飲料水、ポケットティッシュ、うちわ、タオル
景品:貴社オリジナル商品など
ご協賛をいただきたい物品例は上記の通りとなります。
選択パターンでは「提供して欲しいおおまかな品目」について指定し、数量については指定せず、今後のやり取りで決定をしていきます。
自分たちの予算で捻出可能ではあるが、協賛として提供いただけたら助かる品物などは、選択パターンでの依頼をするといいでしょう。
「指定パターン」と比較すると、協賛品に企業側の裁量権が与えられます。ラインナップの中から企業側にとって都合の良い品物を提供してもらうため、企業側のハードルは低くなるでしょう。
ただし、企業側に裁量権が大きいため、具体的にどのような特徴の品物が必要なのか、どの程度の数量が必要になるのかといった補足情報を問われる可能性もあります。迅速に返信できるように、ある程度のシナリオを用意しておくと良いでしょう。
■ご協賛いただきたいものについて
協賛品に特別指定などはございません。
企業様のオリジナル商品など
当日企画しております、○○の景品としてご協賛をお願いいたします。
※衛生管理上の都合により、温度管理が必要なものや食品などはご遠慮させていただく場合がございます。
自由パターンでは提供いただく品物の用途のみを記載し、内容や数量は企業に委ねます。
製品は問わないが、企画の目玉となるような品物がほしいケースでは自由パターンを選択することになります。
とはいえ、あまりにも漠然としていると企業側も何を提供すれば良いのかわかりません。そのような状況を回避するために「協賛品の使用目的」をメールに記載しておくことをおすすめします。
また、文例にもあるように「この特徴がある品物は遠慮する可能性がある」という情報を補足しておくと、協賛品のミスマッチが起こりにくくなるでしょう。
こちらのパターンでも企業側の裁量権が大きいため、補足確認のために追加でメールのやりとりを何度か行わなければならない可能性が高いです。担当者は、必要な情報をすぐに収集して返信できるような体制を整えておきましょう。
ご協賛のお礼について
■ご提供条件
無償にてお願いいたします。
お礼として、以下方法で貴社の広告をさせていただきます。
- (貴社名)および(商品名)を(団体名)のホームページにて紹介させていただきます。
- (貴社名)および(商品名)をイベント中に司会進行よりご案内させていただきます。
- (貴社名)および(商品名)をイベント会場の(場所)に掲載するポスターにて紹介させていただきます。
- (貴社名)および(商品名)をイベントの参加者に配布するチラシにて紹介させていただきます。
※指定の文字やロゴがある場合はご相談ください
※ホームページ掲載ではリンクを掲載することも可能です。こちらも指定のページがあればご相談ください
このステップでは「協賛品を受け取る代わりに企業に対して行えるリターン」について記述します。基本的に「無償で」と依頼することになるでしょうが、それだけでは企業側に物品協賛するメリットがほとんどありません。
なので「企業の宣伝を行う」というのが、一般的な物品協賛のリターンとして用いられることが多いです。 例文の中で実現できるものを残し、メールを完成させてください。
また、独自の告知方法があれば追加で記載するようにしましょう。
納品方法と配送期限
■納品方法について
〒◯◯◯-◯◯◯◯
◯◯県◯◯市 ◯◯111-1
◯◯ 宛
上記、送付先までお手配をお願いいたします。
配送の期限は◯◯月◯◯日とさせていただきます。
※送料につきましてはご負担いただきますようお願いいたします。
ここでは、協賛品の納品についての情報提示を行います。納品先住所、納品先の宛名、納品期日、送料に関する取り決めが記載されていれば十分でしょう。
基本情報を伝えるだけの簡単なパートではありますが、ここで情報の誤りがあると、協賛品がイベントに間に合わないなどの大きなトラブルが起きてしまう可能性があります。きちんと情報を確認し、間違いがないようにメールに記述して送信してください。
また、珍しいケースではありますが、企画担当者が回収に向かうこともあるでしょう。その場合は「協賛品の納品につきましては、当方から貴社に受け取りに伺いますので~」といった文章で意思表示しましょう。
お申し込みの方法について
■お申し込みの方法について
「◯◯の協賛のお申し込みフォーム(リンク)」よりお申し込みください
また、協賛の詳細につきましては「◯◯の協賛のご案内ページ(リンク)」をご覧ください
特別、申し込みなどが必要な場合は「申し込みフォーム」や「申し込み用紙(PDF)」のリンクを掲載してあげましょう。
このままメールでのやり取りで対応可能な場合は、「本メールにご返信ください」と記載しておけば問題ありません。
そのほか、団体のホームページなどで詳しい協賛募集ページなどを用意している場合などは、該当ページのURLなどを添付してあげるといいでしょう。
連絡先について
■連絡先
団体名:
イベント名:
担当者名:
所在地:〒◯◯◯-◯◯◯◯ ◯◯県◯◯市 ◯◯111-1
電話:
FAX:
メール:
最後に、問い合わせの窓口となる人物の詳細情報を記載しておきます。
基本的な情報が揃っていれば問題ありませんが、担当者名や電話番号、FAX番号など、なるべく詳細に記載した方が良いでしょう。
以上、物品協賛を依頼する際のメールテンプレートを紹介しました。
メールを使って複数の企業にアプローチをかける方法は協賛企業を探す方法として非常に有効ではありますが、自分たちだけで協賛企業を集めることは難しいでしょう。どんなに丁寧なテンプレートを使ったとしても全ての企業が協力してくれるわけではありません。
そのため、「ガクセイ協賛」のような学生に対する協賛活動に高い関心を持つ企業が集まるプラットフォームを利用することも重要です。
これから企業を探す予定の方も、自分たちだけで十分な協賛品を集めることに難航している方も、ぜひこうした便利なサービスを活用してみてください。
【関連リンク】協賛企業・資金調達 | ||
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