企業から協賛を受ける方法の1つに「協賛広告」という形式があります。本記事では今まで協賛広告を取り扱ったことがない方がきちんと協賛メニューを作成できるよう、概要や提供方法、依頼方法、実際の事例について解説をしています。
広告協賛とは?
広告協賛とは、企業から資金的な支援を受けた見返りとして、広告掲載によるPRを行うことです。
一般的には、イベントなどで多くみられる協賛タイプです。
支援を受けた団体は、配布するパンフレットやチケットなど、イベントに関連した様々な箇所で協賛企業の広告を掲載します。
広告協賛では、広告枠に対して金額が決まっており、協賛金を提供するというよりは、広告枠を購入することで支援を行うイメージに近いです。基本的に金額が高いメニューほどリターンも充実しており、掲載数や掲載される面積が大きくなります。
広告協賛を選ぶ企業メリット
協賛には品物を提供する「物品協賛」であったり、社員を派遣する「人的協賛」、開発などを援助する「技術協賛」などの種類がありますが、企業が「広告協賛」を選ぶメリットは何があるのでしょうか。
他の協賛と比較した際の主なメリットは「プロモーションを企業側が選択できること」にあるでしょう。
どの協賛タイプであったとしても、「お礼としてPRをしてくれる」という協賛自体のメリットは変わりません。しかし広告協賛には企業が費用対効果を検証しプロモーション方法を選択できるという違いがあります。
予算に応じて広告枠を選択したり、自社との親和性の高さから広告枠を選択できる分、他の協賛タイプと比べて企業側の裁量が多くなります。
協賛広告の2種類の提供方法
企業から協賛を受けて、協賛広告を掲載するにあたっては、以下の2種類の提供方法があります。
- 定型プランを提供する
- PRを個別に提供する
それぞれの広告方法について、以下で具体的に解説します。
プランを提供する方法
1つ目の方法は「定型プランを提供する」という方式です。
金額の異なる数種類の広告枠を用意し、プランに応じて掲載ロゴの大きさや特典数が変わるように設定します。
イメージとして『オレンジフィルムフェスティバル』の事例を紹介します。
メインスポンサープラン500,000円(税別)
<協賛メニュー>
ロゴ掲載(イベント名の下に名前を記載)、HP掲載、SNSにて記事掲載、スクリーンにてムービー放映(4回)、当日会場でのバナー設置、当日会場での特設ブースの設置(12m×3m)、当日会場でのサンプリング、エンドロール掲載(大)、招待チケットの提供30枚Aプラン
300,000円(税別)
<協賛メニュー>
ロゴ掲載(大)、HP掲載、SNSにて記事掲載、スクリーンにてムービー放映(2回)、当日会場でのバナー設置、当日会場での特設ブースの設置(12m3m)、当日会場でのサンプリング、エンドロール掲載(大)、招待チケットの提供20枚Bプラン
200,000円(税別)
<協賛メニュー>ロゴ掲載(中)、HP掲載、SNSにて記事掲載、スクリーンにてムービー放映(1回)、当日会場でのバナー設置、当日会場での特設ブースの設置(9m×3m)、当日会場でのサンプリング、エンドロール掲載(中)、招待チケットの提供10枚Cプラン
100,000円(税別)
<協賛メニュー>ロゴ掲載(小)、HP掲載、SNSにて記事掲載、当日会場でのバナー設置、当日会場での特設ブースの設置(3m×6m)、当日会場でのサンプリング、エンドロール掲載(小)、招待チケットの提供5枚Dプラン
50,000円(税別)
<協賛メニュー>HP掲載、SNSにて記事掲載、当日会場での特設ブースの設置(3m×6m)、エンドロール掲載(小)、招待チケットの提供3枚Eプラン
30,000円(税別)
<協賛メニュー>HP掲載、エンドロール掲載(小)、招待チケットの提供1枚
PRを個別に提供する方法
2つ目の方法は「個別に提供する」という方式です。
前述の方式では、メニュー内に複数のPR方法が含まれていましたが、こちらの方式では、PR方法ごとに個別の値段設計がされており、企業はPR方法を単品で購入することになります。
好きなPR方法を組み合わせられるため、より企業ごとにパーソナライズした広告セットを提案できます。
イメージとして『横浜開港祭2021』の事例を紹介します。
引用:横浜開港祭2021
協賛広告を掲載するまでのフロー
次に、協賛広告を掲載するまでの、おおまかな流れについて解説します。多くの場合は「協賛メニューを決める⇒協賛企業を募集する⇒審査後に広告を作成する」といった流れになるでしょう。
以降では、それぞれのステップを具体的に解説していきます。
協賛メニューの内容を決める
- 広告募集紙面洗い出し
- 期間の設定
- 金額の設定
まずは「協賛メニューの内容を決める」ことからスタートしましょう。
「パンフレットを作るから広告枠を設けよう」、「イベントのホームページを作るので、ここにも広告枠を設けよう」といったように、まずは、広告枠の洗い出しを行い、それぞれに掲載期間と金額を設定していきます。
協賛企業集め
協賛メニューが固まったら、次に実際に企業を探すステップに移行します。協賛企業を集めるには、以下の手法がおすすめです。
- WEB、SNSで情報を発信する
- 企業に営業をかける
- 興味がある企業を紹介してもらう
- 協賛のプラットフォームを利用する <例:ガクセイ協賛>
協賛の申し込み対応、問い合わせ対応
次は「協賛の申込に対応する」ステップとなります。
申込みページから連絡をしてくれた企業や、営業でいい反応を示してくれた企業に対して、より詳しい案内を行います。担当者の疑問に答えたり、企業にあったプランの提案を行います。
また、協賛契約に関する注意事項、確認事項を説明したうえで、企業から同意のサインを得て、契約が成立します。
ロゴ、デザインを提供していただく(一緒に検討する)
次に「企業からデザインを提供してもらう」ステップとなります。
広告掲載では、企業名やロゴを、協賛企業の理想通りに掲載することが求められます。公式のフォントやサイズ比率などに誤りがないよう、協賛を受ける団体が用意するのではなく、広告に掲載するデザインを協賛企業に決めてもらい、その通りに広告掲載することになります。
広告審査
次に「広告審査」を行います。
企業から提供されたデザインや広告案が公序良俗やイベントの主旨と反していないかを審査してください。
広告を掲載する箇所が自分たちのパンフレットだけでなく、新聞などのメディアである場合は、新聞社側にも広告審査を依頼することとなります。
印刷物/WEBコンテンツ作成
審査してデザインに問題がなければ、「広告の作成」を行います。
詳しくは、制作会社やデザイナーとやり取りをすることとなるでしょう。パンフレットやチケットなどに提供してもらったロゴを落とし込み、全体のデザインを決定します。
企業名が掲載された制作物を送付することで、報告と最終確認を行います。
協賛広告料金の請求
最後に、企業に対して協賛金の請求書を送付して一連の流れが完了します。
協賛金をいただくタイミングについては、ケースバイケースですが、広告協賛においては、成果物が完成し、確認をしてもらったうえで、請求書を送付することが一般的です。
協賛における広告枠の種類
- 会場広告枠
- パンフレット広告枠
- フライヤー広告枠
- チケット広告枠
- 公式サイト広告枠
- イベントプログラム中での音声アナウンス
- メディアでのイベントPR時の広告枠(新聞、ラジオ、テレビ)
- SNSでの紹介
- PRブースの提供
- ゼッケン、ユニフォーム広告枠
- イベントPR動画での紹介(YouTubeなど)
- 企業賞の提供(企業担当者が授与)
最後に、協賛広告のメニューの内容について簡単に紹介をします。
あくまで、一例ではありますが、広告枠やPR方法として上記の方法が挙げられます。協賛広告のメニューを決める際に参考にしてください。
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