団体やイベントの主催者は、自分たちの活動を企業に支援してもらうために「協賛」という関係を構築することがあります。企業が協賛する方法として「物品協賛」という方法があるのですが、これにはどのようなメリットがあるのでしょうか? 本記事では、企業が物品協賛を行うことのメリットについて解説します。
協賛の種類についておさらい
「物品協賛」とは、イベントや団体に対して企業などが現物支給により協賛を行うことをいいます。企業によっては「現物協賛」や「商品協賛」といった名称でも呼ばれることがあり、いずれにしても「実際の品物を提供することで協賛する」という点は共通しています。
企業が何らかのイベントや団体に対して協賛する方法は「物品協賛」の他にも、いくつかの種類があります。具体的には、以下の4種類の協賛方法が選択されることが多いです。
- 資金協賛
- 物品協賛
- 広告協賛
- 出典協賛
協賛方法によって、その協賛で提供するものと、協賛によって得られる効果、協賛するにあたっての注意点などが大きく異なります。
明確な目的をもって協賛する場合には、協賛する目的や主旨に応じた協賛方法を選択できることを念頭に置いて、どのイベントに協賛するかを決める必要があります。
資金協賛
「資金協賛」とはシンプルに協賛金を提供する方法です。協賛においてもっともメジャーな方法と言えるでしょう。
基本的に個人・企業どちらからも申し込みを受付けていることが多いです。
内容は、1口1万円といったように口数で管理されているケースが多く、出資者は自分の予算に見合った金額を提供します。
資金協賛のリターンとして、無償で提供を求める場合もあれば、協賛した口数に応じたプロモーションがついていることがあります。基本的に協賛金が多い(口数が多い)ほど有益なプロモーションを提供されます。
ガクセイ協賛は、大学生向けの資金協賛のプラットフォームになります。企業がリターンを設定できるため、自発的に協賛を活用したプロモーションが実現できます。
物品協賛
2つ目の協賛方法は「物品協賛」です。これは現金ではなく何らかの品物を提供する協賛形式のことです。
物品協賛には、大きく分けて「協賛を受ける側が品物を指定する場合」と「協賛する企業側が好きに品物を指定して協賛する場合」の2種類に分けられます。
「指定の品物を買ってあげるケース」では、提供した品物は主に団体やイベントの運営に使用されることが多いです。「掲示用ののぼり」や「スタッフ用のTシャツ」などが例として挙げられます。
「自由に企業オリジナル製品を提供するケース」では、提供した品物は主にイベントの景品や配布物として使用されることが多いです。
飲料水やお菓子などの軽めの品物を全員配布ように大量提供する企業もあれば、電子機器や金券など景品の目玉となるような品物を提供する企業もあります。
物品協賛の注意点として、品物によっては提供を断られてしまうこと挙げられます。協賛するイベントの主旨に合わせて協賛品についてのすりあわせを、担当者同士でしっかりと話し合う必要があるでしょう。
広告協賛
3つ目の協賛方法は「広告協賛」です。これは資金協賛の形式と似ている部分もありますが「イベントの広告物の枠を販売する」ような協賛方法です。
基本的にはパンフレットを使用するのですが、チラシやポスター、チケットの掲載枠であることもあります。
資金協賛も、最終的にお礼としてプロモーションしてもらえるため広告協賛と仕組みは似ているのですが、広告協賛は完全に広告枠の「販売型」であり無償での協賛といったケースはありません。
協賛すれば確実に広告宣伝をしてもらえるため、資金協賛の場合と比較すると明確なメリットがあるといえます。
出展協賛
最後の協賛方法「出典協賛」は、広告宣伝または販売促進を目的としてイベントの主催者に出展料を支払い、実行委員会により提供されるスペースにおいて、自社製品等の出展・営業を行うことができる形式です。
この協賛方法も「現金を支払う」という点において現金協賛と似ている部分がありますが、無償協賛にはならないため確実な広告宣伝効果を期待することができます。
また、広告協賛と違って名称のPRをするだけでなく、実際に出展ブースを利用して現物の販売・配布等を行うことができるため、自社製品のPR効果がさらに高くなります。
物品協賛の4つの効果
ここまで、協賛には複数の種類があることを解説しました。
上記で紹介した協賛の中でも、物品協賛を選択するメリットは以下の4つが考えられます。
- 企業名のプロモーション効果
- 商品名のプロモーション効果
- 有名人による広告効果
- 試供品効果
それぞれの具体的な効果の内容について解説を進めていきます。
1.企業名のプロモーション効果
1つ目の協賛効果は「企業名のプロモーション効果」です。
物品協賛を選んだ企業も、資金協賛や広告協賛と同様に企業名を掲載してもらえることが多いです。掲載箇所は会場、パンフレット、特設サイトなどです。そのため、企業名はイベントに参加した方の目に留まることとなります。
また、スタッフ衣装や飲料水などを提供する場合(デザインなど運営者と話し合ったうえでですが)その品物に企業名のロゴなどを追加することができます。
2.商品名のプロモーション効果
2つ目の協賛効果は「商品名のプロモーション効果」です。
物品協賛で提供した自社製品は、イベントの参加者に配布・贈呈されることとなるため、商品の知名度を大きく向上させることができます。
例えば「ビンゴ大会の1等の景品として電化製品を提供する」など、提供した品物が「企画の景品」となるのであれば、会場やパンフレットで大きく取り上げられるでしょう。高額な景品であればインパクトが強くなります。
また、「参加者に配布するように化粧品の試供品を提供する」など、全員配布の品物として使用されるのであれば、多数の人に商品をPRすることができます。
1つ目に解説した通り、物品協賛は「企業名のプロモーション効果」を含みます。そのため、製品名と社名を紐付けたうえで、プロモーションすることができる点が大きなメリットとなります。
さらに、イベントの主旨に合わせた商品選びができるという点も重要です。例えば大学におけるイベントの場合、「大学生」や「学生の子を持つ親」「受験を控える高校生」をターゲットにできます。自社の製品のターゲットとイベントの客層を重ねることで、より有効な商品PRができるでしょう。
3.有名人による広告効果
3つ目の協賛効果は「有名人による広告効果」です。協賛した団体やイベントの中には、大きな影響力を持つ人もいるかもしれません。
例えば、大学生のイベントに協賛する際、イベント参加者の中に学生インスタグラマーやOBの著名人など、強い影響力を持つ人物がいるケースもあるでしょう。
その場合、SNSやネットなどで情報を発信してもらえる可能性があります。不確定要素にしないためにも、ミーティングの段階で協賛の条件として提示するのもいいでしょう。
もし、影響力の強い人物によって自社の商品をプロモーションをしてもらえるのであれば、物品を用意する費用に対して、パフォーマンスの高い広告宣伝効果を得られるかもしれません。
4.試供品効果
最後の協賛効果は「試供品効果」です。
協賛するイベントの参加者全員に配布する品物などを提供すれば、自社製品の試供品としての効果も得られます。
よくある例としては「化粧品のサンプル」や「お菓子」など挙げられます。イベントに参加した際に、受け取った経験がある方も多いのではないでしょうか。
試供品効果は、さらに細かく3つに分類できます。
- 購入の後押し
- 潜在顧客の開拓
- カスタマーマーケティング
1つ目は「購入の後押し」です。商品の購入を決定する前に実際に商品を試すことによって「自分に合う商品かどうか」を確かめることができます。「この商品に興味があるけれど、購入を決めかねている」という消費者層を取り込むことができます。
2つ目は「潜在顧客の開拓」です。試供品をイベント内で配布することによって、多くの人たちに自社の商品について知ってもらえます。「最初は興味はなかったけれど、試供品を使ってみたことによって商品の良さを実感できた」など、潜在顧客を発掘して自社に取り込む効果があります。
3つ目は「カスタマーマーケティング」です。試供品をイベント内で配布することによって、商品に対する「消費者の実際の反応」をチェックすることができます。アンケートを実施するなどして消費者の意見を吸い上げることができれば、商品の品質改善や今後の販売戦略を見直すための判断材料になるでしょう。
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