日本でも「ラグビー」というスポーツは人気です。とくに最近では2019年のラグビーワールドカップにおける日本代表の活躍はお茶の間を興奮の渦で包み、「ONE TEAM」という流行語も生まれました。
そんなラグビーには数多くのスポンサーが集まっているのです。本記事では、ラグビーが数多くの協賛企業を集めている理由について解説します。
ラグビー日本代表の協賛企業(スポンサー)一覧
画像引用:Japaaan
4月1日、「日本ラグビー協会」は日本代表の各種サポート企業について、新年度からの契約決定を発表しています。
「トップパートナー」である大正製薬をはじめとして、そのほか10の企業と合計13種類の契約が成立しました。
ここで登場する「カテゴリ」について解説すると、協賛企業の最上位が「トップパートナー」であり、そのあとに「オフィシャルパートナー」、「オフィシャルスポンサー」「オフィシャルサポーター」というように続きます。
なお「日本代表サプライヤー」は物品提供を行う企業を指します。
(2021年10月1日時点)
■日本代表トップパートナー
大正製薬株式会社
■男子日本代表オフィシャルパートナー
株式会社 東芝
株式会社三井住友銀行
セコム株式会社
株式会社カンタベリーオブニュージーランドジャパン
■女子日本代表オフィシャルパートナー
太陽生命保険株式会社
セコム株式会社
株式会社カンタベリーオブニュージーランドジャパン
■男子日本代表オフィシャルスポンサー
三菱地所株式会社
ヒト・コミュニケーションズ
Canon
アサヒビール株式会社
■女子日本代表オフィシャルスポンサー
三菱地所株式会社
株式会社青南商事
アサヒビール株式会社
■日本代表オフィシャルサポーター
株式会社JTB
TOPPAN
KASHIMIYA
■日本代表サプライヤー
GIRBERT
SAVAS
ラグビーワールドカップの協賛企業(スポンサー)一覧
画像引用:ラグビーワールドカップ公式サイト
日本で開催された「2019年ラグビーワールドカップ」における協賛企業(スポンサー)一覧で掲載します。
協賛のカテゴリーは3種類です。「ワールドワイドパートナー」を最上位とし、続いて「オフィシャルスポンサー」があります。
「トーナメントサプライヤー」は、物品提供をしている協賛企業です。
(2021年10月1日時点)
■ワールドワイドパートナー
エミレーツ航空
ハインケン
LAND ROVER
Mastercard
SOCIETE GENERALE
DHL
■オフィシャルスポンサー
Canon
TOTO
SECOM
リポビタンD
三菱地所グループ
NEC
ヒトコミュニケーションズ
大成建設
■トーナメントサプライヤー
GILBERT
TUDOR
TOPPAN
canterbury
NTT docomo
EY
サントリー
aggreko
ラグビーにおける協賛先の種類
ラグビーというスポーツに対する企業協賛においては、その支援先について以下の6種類が挙げられます。
- 日本代表チームへの協賛
- プロリーグチームへの協賛
- アマチュアチームへの協賛
- 大会、イベントへの協賛
- 選手、個人への協賛
- 協会への協賛
一般的に、スポーツにおける協賛と聞くと、日本代表チームやプロリーグのチーム、世界規模の大会などをイメージします。
しかしそれだけでなく、そのスポーツに関係するさまざまな団体を支援することが可能です。
「スポーツへの協賛=大企業にしかできない」というイメージがありますが、協賛先を選ぶことによって自社の予算にあった支援額を選択する余地があります。
スポーツの中でラグビーへの協賛を選ぶ理由
サッカーや野球といった人気のスポーツがある中、数多くのスポンサー企業がラグビーを選ぶのには、いくつかの理由が考えられます。
以下では、考えられる理由を具体的に解説していきます。
ラグビーが持つイメージとのマッチング
1つ目は「ラグビーのイメージと企業イメージがマッチするから」です。
スポーツは、それぞれにプレイスタイルやルールが異なり、それによってそれぞれ独自のイメージというものが生まれます。例えばラグビーであれば「前進していく(後退しない)」「情熱的」「強さ」などのイメージを持つ方が多いでしょう。
企業が手掛ける製品や会社のイメージと重ね合わせた結果、他のスポーツよりもラグビーが最もイメージにマッチするため、ラグビーを支援先として選ぶのでしょう。
サポーター人口の多さ(影響力の高さ)
2つ目は「ラグビーのサポーターが多い」ことです。
サポーター、つまり応援してテレビ中継等を見ている人口が多いということは、それだけ企業にとっても影響力を持つ媒体として協賛する価値があるということです。
「マクロミル」が公表している「 2020 年スポーツマーケティング基礎調査」によると、ジャパンラグビートップリーグ のファン人口推計は、2019年には約426万人だったところが、2020年には507万人まで増えています。
企業が何らかの団体やイベントに協賛する最大の理由としては「企業名の周知・認知度アップ」が挙げられます。ラグビーのようにファン人口が多く、2019年のワールドカップの影響でさらにファンが増えていることを鑑みても、影響力の高さから企業にとって魅力あるスポーツへと進化しているのです。
サポーターの消費と製品のマッチ
3つ目は「サポーターの消費傾向と自社製品がマッチしている」ことです。要するにラグビーのサポーターが消費する傾向にある品物が、自社製品と同じまたは相性が良い品物であるため、スポンサーになることで自社製品の認知・消費の向上につなげることができるということです。
スポーツのスポンサーとなることで、試合や大会の「公式食品・公式飲料」として、自社製品を指定することができるケースがあります。サポーターの消費傾向にマッチしていることにより、より多くのサポーターが自社製品を公式グッズとして購入してくれます。
実際にアサヒビール社の代表も、オンラインの記者会見で「サッカーの6倍とされるビールの消費量がひとつのきっかけ」と発言しています。そのスポーツのサポーターの消費傾向と照らし合わせて自社製品との親和性が認められることで、ラグビーを協賛先として選ぶのです。
人気選手をアンバサダーに起用できる
4つ目の理由は「人気選手の力を借りることができる」ことです。実際にラグビー日本代表メンバーがテレビコマーシャルや雑誌広告などに掲載されている事例が多く見られていますが、これはスポンサー企業としてのメリットの1つに挙げられます。
場合によっては、支援先の人気選手またはチーム全体を自社ブランドのアンバサダーに起用するケースもあります。人気の選手であれば世間への影響力も高いため、自社ブランドの認知強化や販売戦略の拡大などに貢献してくれます。
スポーツとの親和性の高いブランドや製品の広告塔になってもらえれば、そのプラス影響は計り知れないものになるでしょう。
ラグビーの協賛企業(スポンサー)からのコメント
ここからは、実際にラグビーを協賛先としている協賛企業の担当者のコメントについて触れてみたいと思います。実際にスポンサーになった企業の担当者の意見を参考にすることで、これからラグビーのスポンサーになろうと考えている企業にとって貴重な判断材料になるでしょう。
キヤノンは、JRFUが掲げる「ラグビー日本代表の強化」および「日本におけるラグビースポーツの普及拡大」という目標に賛同し、日本ラグビー界のさらなる発展と拡大の一助となるべく、本契約を締結しました。
これまでもキヤノンは、ラグビーをはじめとするスポーツ振興に力を入れており、2019年に開催された「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」では、「オフィシャルスポンサー」として大会をサポートしました。この大会での日本代表の活躍を通じて、品位・情熱・結束・規律・尊重というラグビーの精神に改めて共感し、次回のラグビーワールドカップである2023年フランス大会に向けて準備を進める日本代表の活動を支援していくことを決定しました。
今後、国内で行われるJRFU主催の日本代表戦に協賛するとともに、カメラ、プロジェクターなどの入出力機器や医療機器、ボリュメトリックビデオシステムなど幅広い製品・サービスを通して、日本代表の活動をサポートします。
キヤノンは、今後も自社製品と技術の活用や、スポーツイベントへの協賛などを通じ、スポーツ振興に貢献していきます
カメラメーカーとして有名な「キヤノン」は、品位・情熱・結束・規律・尊重などの「ラグビーの精神」に共感したことを理由に支援を決定しています。
アサヒビール株式会社 社長 塩澤賢一
「ラグビー日本代表オフィシャルスポンサー」に決定したことを大変光栄に思います。アサヒビールは、世界最高峰の舞台である「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」の「ワールドワイド・パートナー」でもあります。いかなる困難があろうとも立ち向かい、お互いを認め合い、一丸となって前に進んでいく、そういったラグビーが持つ情熱や強さに私たちは共感し、そして「スーパードライ」の価値観を重ねています。「すべての前向きに頑張る人を応援し世界中をひとつにする」という思いの下、大会の成功を目指していくとともに「ラグビー日本代表オフィシャルスポンサー」として「ラグビー日本代表の強化」および「日本におけるラグビー競技の発展と拡大」に貢献してまいります。
アサヒビール株式会社、社長の塩澤賢一氏はラグビーが持つ「困難に立ち向かう」などのイメージと、自社製品の価値観を重ねた結果、協賛を決定したと発言しています。
私たちに大切なことを教えてくれるスポーツ、ラグビー。
正々堂々と向き合う誠実さ。チカラを合わせて団結するチームワーク。
違いを認め合う、相手への敬意。そして、困難に立ち向かう勇気。
成功や失敗を繰り返し、成長していく。
なりたい自分がある限り、走り続ける。
そんな情熱を次の世代へ繋いでより素晴らしい時代を共に築いていきたい。
ラグビー日本代表、そして、
小学生から大学生までの9つの大会協賛を通じて
SMBCは未来へ挑戦するすべての人たちを応援しています。
日本を代表するメガバンクである、SMBC(三井住友銀行)は「誠実さ」や「チームワーク」「敬意」「勇気」「成功と失敗を繰り返しての成長」という点に共感してスポンサーになることを決定しています。
──そもそも大正製薬がラグビー日本代表のスポンサーになったのは何故なのでしょうか?
「はい。会長の上原明は学生時代にラグビーに親しんでいた経験から、その一体感やスポーツとしての魅力を存じていました。また弊社の創業以来の精神 “紳商” とラグビーは通じるものがあったのだと思います」
──紳商? あまり聞かない言葉ですね。どんな意味なんでしょうか?
「紳商は、商売は厳しい戦いの連続だが、その戦いはあくまで紳士的でなければならない。約束とルールを守る、ウソをつかない、弱い者いじめをしない、品格ある職業人であれ、という精神ですね」
日本代表トップパートナーである「大正製薬」の会長である上原明氏は、インタビューの中で「自身がラグビーを経験しており、スポーツとしての魅力を感じていた」と発言しています。
また、自社の「紳士的に戦う精神」とラグビーは通じるものがあったという理由から、スポンサーとなることを決定しています。
協賛には様々なものがありますが、大学生向けの協賛プラットフォーム「ガクセイ協賛」は800大学5500団体が利用しており、ラグビー部を含む学生団体やサークルへの協賛が可能になります。学生の活動を応援しつつ、自社にもメリットとなるプロモーションも実現できるので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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