大学のゼミとは?種類や講義との違いを徹底解説

ほとんどの大学生の方は、学年が上がれば大学の「ゼミ」(理系の場合は「研究室」)に入り、より特定のジャンルについて研究を深めていきます。まだゼミに入っていない方にとっては、「ゼミではどんな勉強をするのか?」、「通常の講義とはどうちがうの?」といった疑問も多いはずです。

本記事では、大学の(主に文系の)ゼミについて詳しく解説していきます。活動の内容や普段の講義との違いなどをわかりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

 

ゼミとは

ゼミとは

「ゼミ」は「ゼミナール」の略称です。大学のゼミとは、「学生と教授(講師などの指導教員)が一緒に研究活動をする」授業のことをいいます。

ほとんどの4年制大学(学士課程)においては、「卒業研究」があるため、「卒業論文」を書かなければいけません。この卒業研究を見据えた活動が、一般的なゼミの位置付けになります。

専門的に学びたいジャンルのゼミに所属して、ゼミ生同士のディスカッションやフィールドワークなどを通じて、特定の研究を深めていきます。ゼミも講義のひとつとして数えられており、ほかの授業とは別の時間帯で行われます。通常の講義とは異なり、ゼミの活動として定期的に集まる形で行われることが一般的です。

ゼミの種類

大学でのゼミは、特定のジャンルにおいて専門的に研究をしていくため、さまざまな種類があります。

学科の中の教授ごとにゼミがあるので、ゼミの種類は大学により異なります。特定の研究を続けている教授に所属する形になるのがゼミなので、ゼミで研究を深めていきたい、より自分の興味関心のある領域を選んで、ゼミを選ぶことになります。

経済学部を例にすると、「経済学科」、「経営学科」、「金融学科」などの学科から更に担当教授によって研究テーマが細分化されていきます。経済学科の中で言えば、「現代の日本経済」や「家族と経済の結びつき」など、経済から更にジャンルを狭めたテーマにして研究を進めていくのです。そのゼミの中で学生独自の研究をしていき、最終的には卒業論文としてその研究の成果をまとめていきます。

このように、経済という大きな分野から、特定のテーマを専門に研究している教授のゼミに入り、更に個人の興味関心のある研究テーマを見つけ、教授やゼミ生と共に研究を深めていくので、ゼミはそれぞれの学術分野において、さまざまな研究テーマがあります。

ゼミの活動内容

ゼミの活動内容

ゼミでは教授とゼミ生たちと、特定のテーマを研究していきますが、具体的にはどんな活動をしていくのでしょうか。ここからは、ゼミの活動内容についてひとつずつ紹介していきます。

文献購読

文献購読では、研究テーマに沿ったテキストをゼミ生全員で読み、内容の理解を深め、要約や発表を行っていきます。同じテキストを読み込んでも、その感想や意見はゼミ生によってそれぞれ変わってきます。

同じ研究テーマで学びを深めていく人同士で、その考え方などの違いを認識します。この文献購読は、独自の研究テーマを探求していく第一歩になります。

ディスカッション

ディスカッションでは、各自で集めた資料やデータをもとに、他のゼミ生らと意見を発信します。相手を言いまかすのではなく、他者の意見を取り入れながら、議論を展開していきます。

個人の情報収集だけでは知ることが出来なかった、あらゆる角度の意見を取り入れることができ、反論からも学びがあるのがディスカッションの魅力のひとつです。

フィールドワーク

テキストや文献などには出ていない情報や、多数の人から知見を得たい場合は、フィールドワークを行います。思想や意見を裏付けることや、理論を構築したりするためには、教室からでて街中でのアンケートや、インタビューなどを行う必要もあります。

このフィールドワークで収集したデータや傾向を分析し、研究の発表につなげていきます。

プレゼンテーション

プレゼンテーションは、これまでに収集してきた情報やデータに基づき、自分の考えを論理的にまとめ、資料を用いて発表を行うことをいいます。

プレゼンテーションでは、わかりやすい構成にまとめ、論理的に発表していくことが大切です。必要に応じて、データを用いた傾向を発表することや、フィールドワークで知り得た情報を写真や映像にするなど、的確に伝えるためにさまざまな手法を使います。そのほかにも、グラフなどのデータを効果的に使うこともあります。

また、プレゼンテーションでは研究結果をまとめるだけでなく、発信していくスキルも求められます。身振り手振りを使い、話し方にも強弱をつけるなど、研究成果をわかりやすく伝えるための表現力も必要です。

レポート制作

プレゼンテーションでは、研究成果の発表を資料を用いて口頭で行いますが、レポート制作では、この研究成果を論文にまとめます。

レポートでは、書面に研究内容をまとめるので、グラフやデータを用いて論理的な思考に基づいて制作を行います。

通常の講義との違い

通常の講義との違い

ゼミの講義も大学の授業のひとつではありますが、通常の講義とは何が違うのでしょうか。ここからは、ゼミと通常の講義との違いについて解説していきます。

ゼミは少人数制

大学の講義では、大きな教室で大人数で受講するイメージもあるかも知れませんが、このイメージは、通常の講義です。

ゼミは専門性の高い研究をしていくため、少人数制であることがほとんどです。

一般的には10人~20人という小規模な体制になっており、学生1人1人が専門分野に特化して、研究を行っています。

教授が持つゼミに所属する形になるため、人気のゼミには学生が集中することもあります。通常の授業であれば、多くの学生が受講できますが、ゼミに関しては少人数の所属制なので、成績上位者から順番に所属が決まったり、抽選になることもあり、希望のゼミに入れないこともあります。

ゼミは能動的な学び

通常の講義では、学校の授業と同じようなイメージで教室に集まった受講生に向けて、教授が一方的に授業を行います。

高校までの授業と同じように、授業の内容を聞いてノートを取り、必要に応じて質問をするような形式は、大学の講義でもあまり変わりません。

しかし、ゼミになるとこの受講スタイルとはまったく変わります。ゼミでは、それぞれの学生が研究テーマを持っているので、その研究テーマに基づき自ら考え、主体的に行動していきます。個人で行う場合もあれば、グループで行う場合もあり、ディスカッションやフィールドワークなどを交えながら、その研究テーマを追求していきます。

その研究成果は、プレゼンテーションで発表を行ったり、レポートにまとめて提出したりします。このように、ゼミは授業を受けるといったスタイルではなく、ゼミ生たちが主体的に研究を深めていきます。

ゼミは”より”専門的

通常の講義では、学びの基礎となる部分を習得していきます。ここで得た広い知見を基に、専門的なテーマについて研究を深めていくのがゼミです。

通常の授業では、その学問の基礎知識を網羅的に学んでいきます。通常の講義でしっかりと知識をつけ、ゼミに入ってからは、より専門的な研究テーマを設けて、学生それぞれが主体的に研究に取り組んでいきます。

ゼミに入るメリット

ゼミに入るメリット

専門的に特定の研究テーマについて取り組んでいくゼミですが、ゼミに入ることで、さまざまなメリットがあります。

  • プレゼンテーション能力
  • 論理的思考能力
  • コミュニケーション能力
  • マナー、社会常識

ここまで解説してきたとおり、ゼミに入ることで専門的な知識を身に付けることができます。しかしそれだけではなく、ゼミでの研究では、個人として必要なスキルを身に付けることができるため、ただ専門的な勉強をするだけでなく、スキルアップすることにもつながっています。

ここで挙げたメリットは、社会人になったときに必ず役に立つスキルになります。

ゼミでは、研究成果を発表する際にプレゼンテーションを行うため、ここでプレゼンテーション能力を磨くことができます。プレゼンテーション能力が高いということはつまり、物事を論理的に発信していくスキルがあり、相手に物事を上手く伝えるスキルがあるということです。

例えば、就職活動の面接では、いかに自分をプレゼンテーションできるかが必要になってきますし、さまざまなシーンで実践的に使えるスキルになるでしょう。

ゼミでは、プレゼンテーションだけでなくディスカッションやレポート制作を行いますが、ここで身に付けることができるのが、論理的思考能力です。論理的思考ができるかどうかで、物事の捉え方や考え方、社会人になってからも、仕事の進め方が大きく違ってきます。論理的な思考ができるのとできないのでは、問題への取り組み方と、改善するスピードに違いがでるはずです。

また、この論理的思考能力があれば、コミュニケーションスキルも格段にあがります。相手とコミュニケーションを取る際に、論理的に話を進めることで、良好なコミュニケーションを取ることができるでしょう。

ゼミでは、ディスカッションやフィールドワークを行うため、必然的にコミュニケーションを取る機会が増えます。ここでコミュニケーション能力を磨くことができますし、学外の方を含め、多くの方と接する機会があるため、マナーや社会常識も知ることができるでしょう。

このように、ゼミでは今後の社会生活で役立つさまざまなスキルを身に付けることができるので、ゼミに入ることでさまざまなメリットを受けることができるのです。

以上、大学のゼミについて解説しました。

最後にゼミに加入するデメリットに「出費」があることが挙げられます。ゼミ合宿や飲み会など予算の徴収が発生するイベントがあるためです。

費用が負担となる場合は、「ガクセイ協賛」を活用してみてはいかがでしょうか。ゼミとして登録して、多くの協賛金を集めることができます。

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