「交通広告」は、その交通機関や交通機関に関連する施設を利用する人に対して集中的にプロモーションできる広告手法です。
交通広告に限った話ではありませんが、広告を利用するためには「広告費用」が発生します。本記事では、交通広告の費用相場・平均的な料金について詳しく解説します。
交通広告の種類
「交通広告」とは交通機関の車両内・機内、駅や空港などの関連施設内に掲載される広告のことです。例えば通勤通学に利用される割合の多い路線の電車内に交通広告を掲載すれば、通勤中のビジネスマンや通学中の学生に対して集中的にプロモーションを展開できます。
・中吊り広告
・座席上広告
・ステッカー広告
・デジタルサイネージ広告
・つり革広告
・女性専用車広告
・車体ラッピング
・配布用の雑誌広告
・お手拭きや割り箸広告
・そのほか、駅構内広告
【車両の種類】
・電車
・タクシー
・バス
・飛行機
・新幹線
一般的な交通広告のイメージとしては「電車内の中吊り広告」という印象をお持ちの方が多いのですが、実際にはタクシーや飛行機などの交通機関にも交通広告を掲載することができます。
それぞれの交通機関ごとにアプローチできるターゲットや掲載期間、費用相場が異なりますので、それぞれの交通広告の特性を十分に理解したうえで利用開始するのが理想的です。
交通広告の種類や事例などについて詳しく知りたい方は「交通広告とは?種類や特徴を徹底解説」や「交通広告の成功事例7選!ユニークな取り組みを紹介」の記事を参考にしてください。
交通広告の費用の内訳・仕組み
以下で交通機関ごとに目安となる掲載金額を紹介しますが、先に料金の仕組みについて簡単に予習しておきましょう。
交通系の広告における料金の変動要素は以下の通りです。
・都道府県
・路線
・駅
・駅構内の場所
【②広告】
・媒体の種類
・サイズ
・掲載箇所数
・掲載期間
【③出稿コスト】
・代理店費用
・デザイン費用
・設置費用
まずは、立地条件によって料金が変動します。ローカルエリアよりも東京エリアの方がもちろん、訴求力が強いため金額は高く設定されています。さらに東京都内でも路線や駅によって料金が異なり、利用者数に応じて金額も大きくなります。また、特定の駅内でもどこに広告を掲載するかによって料金が変動します。
つぎに、広告の種類や発注内容によって金額が変動します。紙媒体かデジタル媒体か、また同じ紙媒体でもサイズや掲載数、期間によって費用は変わってきます。
最後に、広告を出稿するうえで発生するコスト面です。鉄道会社やバス会社ではなく、代理店を利用するのであれば便利さは増しますが、手数料が発生しています。また、デザインや設置作業を社内ではなく外注するのであれば、その分コストが発生します。
以下では、①②をもとに金額の目安として紹介してますが、より詳細に見積もりを考える際は③までを考慮して、トータルのコストを考えなくてはいけません。
交通広告の費用・料金(電車)
まずは「電車」の交通広告の費用相場などについて解説します。
中吊り広告
山手線:6,200,000円(650点・2週間・ワイド)
相模線:70,000円(70点・2週間・B3)
相模線:140,000円(70点・2週間・ワイド)
「中吊り広告」とは、電車内の天井からぶら下がっている広告のことで、一般的な電車内広告のイメージとして定着しています。
金額のレンジは広く、確認できた中で最も最安値は7万円、最高額は600万円でした。
費用相場については、「路線の利用者数の多さ」や「掲載サイズ」が変動要因となります。利用者数の多い路線であるほど多くの利用者に広告を見てもらうことができますが、同じ掲載期間でも路線ごとに広告費用は大きく変動することが、上記のデータからわかります。
費用を抑えたい場合は広告費用の安い路線を選択する必要があります。ですが、その分だけあまり多くの人にアプローチできない可能性があるため、費用対効果を考えてどの路線に広告を出稿するのかを決める必要があります。金額だけではなく「1車両あたりの1日の乗車人数」「何車両に広告を展開するか」「平均乗車時間」などのデータをもとにすると、具体的な費用対効果が見えてくるでしょう。
座席上広告(まど上)
相模線:18,000円(70点・2週間・B3)
「座席上広告」とは、電車の座席の上、要するに窓の上に掲載されている広告のことです。
中吊り広告と比較すると、同じ路線でも費用相場が安くなっていることがわかります。費用の変動要因としては、やはり「路線」と「掲載サイズ」が大きなポイントであり、利用者数の多い路線ほどアプローチ可能数も費用相場も大きくなりますので、費用対効果の分析が重要な選定基準となるでしょう。
ドア横ポスター
小田急線:3,300,000円(2300点・1ヶ月・B3)
「ドア横ポスター」とは、電車の出入り口のドアと窓の間に掲載される広告のことです。
他の電車内広告と同じように「路線」および「掲載サイズ」が費用を変動させる大きな要因となります。「ドアの横」という立地は、電車から降りる人が必ず目にする機会のある広告表示場所になるため、視認率の高さを活かした宣伝広告を掲載するのに適しています。
ステッカー広告
千葉以東各線:188,000円(450点・1ヶ月・16.5×20.0)
「ステッカー広告」とは、電車内のさまざまな箇所に広告ステッカーを貼り付けて宣伝する広告手法です。
広告サイズは上記で紹介した広告と比べると小さくなりますが、もちろん点数や期間に対する金額も低くなります。
費用変動の要因としては「路線」と「貼り付けるステッカーの枚数」が大きなポイントです。枚数が多い広告を人気の路線で利用できれば、それだけ宣伝効果も強力になりますが、その分だけ広告費用も高額になりやすいので注意が必要です。
車両内デジタルサイネージ
常磐線:20,000円(15秒・7日)
「車内デジタルサイネージ広告」は、電車内に設置されているデジタル機器に広告を表示する宣伝手法です。
費用変動の要因として「路線」の影響も少なくありませんが、「表示するデジタル機器のサイズ」や「秒数」も大きなポイントです。一般的なテレビCMと同じように15秒CMと30秒CMがプランとして用意されていることが多いです。
サイズの大きな機器で広告を表示すると到達率やインパクト性が高くなりますが、その分だけ広告費用も高額になりやすいです。
つり革広告
井の頭線5両編成:120,000円(300点・1ヶ月・12.4×4.65)
「つり革広告」とは、電車内に吊り下げられているつり革の上の部分に広告を掲載する宣伝手法です。
やはり「路線」の影響が広告費用を大幅に左右する要因となります。つり革広告は「社内にどれだけ多くのつり革が設置されているか」に依存しますので、編成車両数が多く、多くのつり革広告を表示するケースだとそれだけ広告費用も高額になりやすいです。また、利用者数の多い路線ほど、広告費用は高額になりやすいです。逆に、立っている人が少ないような路線は、広告効果が見込めなくなってしまいます。
つり革に対して視線を集めることを考えると、シンプルな料金と利用者数の比較だけでなく、乗車率(立ってつり革に掴まる人がいるのか)にも注目するといいでしょう。
女性専用車広告
東京メトロ中吊り:4,500,000円(8400点・7日・B3)
田園都市線中吊り:2,500,000円(1400点・7日・B3)
「女性専用車広告」とは、電車のうち「女性専用車両」に広告を出稿する宣伝手法です。女性に対して集中的にアプローチできます。
広告費用の変動要因としては「路線の人気度」と「どのような広告手法を利用するか」が大きなポイントです。同じ路線でも、準備にコストがかかる広告や、人気度の高い広告手法であるほど、利用する際の広告費用も高額になりやすいです。
「鉄道定期券・普通券等利用者調査」によると電車利用者の男女比は男性の方が1.5倍〜2倍ほど高くなるようです。そのためターゲットが女性のみである場合、同等の金額で一般車両に広告を掲載するよりも、女性専用車両に掲載した方が得られる広告効果が高くなります。
車体ラッピング
相模線1車両:2,300,000円(4両・4週間)
「車体ラッピング」とは、車体表面に広告ラッピングをほどこし、車外の人に宣伝する広告手法です。
費用を変動させる要因は「路線の種類」です。アプローチできる人数が多い路線ほど広告費用も高額になります。費用は高額ですが、その分だけ多くの人に宣伝できる手法であるため、短期間でできるだけ多くの人に対して宣伝したい場合にはおすすめの交通広告となります。
地下鉄の場合は駅の利用者のみですが、地上線である場合は路線利用者数以上の広告効果が見込めるでしょう。
交通広告の費用・料金(バス)
東急バスまど上:400,000円(950点・7日)
東急バスラッピング1車両:500,000円(3ヶ月)
「バス」の交通広告は、街中を走行する路線バスを利用した広告手法です。
交通広告の費用を変動させる要因としては、「路線の種類」と「広告手法の種類」に依存することが多いです。人気路線でアプローチ可能性が高い広告手法であるほどに、宣伝効果も費用相場も高くなりやすいため、予算的に厳しくなるケースも多いでしょう。
駅構内ポスター
駅等級S:100,000円(7日・B0)
駅等級A:91,200円(7日・B0)
駅等級B:67,200円(7日・B0)
駅等級C以下:43,200円(7日・B0)
「駅構内ポスター」は駅の構内に広告ポスターを貼り付けて宣伝する広告手法です。
「広告のサイズ」も大きな要因ですが、広告費用を左右する大きな要因としては「駅の等級」が深く関わっているといえます。
駅構内ポスターは「その駅をどれだけ多くの人が利用するか」でアプローチ可能な人数は変動するため、利用者数の多い高等級の駅であるほど広告費用も高額になりやすいです。
交通広告の費用・料金(タクシー)
デジタルサイネージ広告:2,400,000円(52,000台・1週間・30秒)
アドケース(ラック)広告:2,200円(1台・1ヶ月)
窓ステッカー広告:1,100円(1台・1ヶ月)
ボディステッカー広告:10,000円(1台・1ヶ月)
ラッピング:35,000円(1台・1ヶ月)
乗客サンプリング:50円(1個)
リアウィンドウ広告:5,000円(1台・1ヶ月)
「タクシー」の交通広告は、街中を走っているタクシーを利用した広告手法です。
タクシーの交通広告の費用を変動させる大きな要因は「どのような広告手法を用いるか」が重要なポイントになります。例えば「デジタルサイネージ広告」は、デジタル機器を媒体に宣伝するためインパクト性や伝えられる情報量が多いというメリットはありますが、一方で広告費用はそれなりの水準になります。また、利用客にアプローチする手法だけでなく、「ステッカー広告」のように車外の通行人に対してアプローチできる宣伝手法もあります。
交通広告の費用・料金(新幹線)
ボード:13,000,000円(3200点・半月・B2)
電光文字:47,820,000円(1年・東京〜新大阪間で2回表示)
車内額面:300,000円(320点・1ヶ月・A2)
ドア横(外):257,000円(80点・1ヶ月・B3)
ドア横(内):400,000円(80点・1ヶ月・A2)
「新幹線」の交通広告は、文字通り新幹線を媒体として宣伝を行う広告媒体です。
新幹線の広告の費用を変動させる要因としては、「路線の利用者数の多さ」と「具体的にどのような手法を用いるのか」が大きなポイントになります。例えば「ボード」は座席の前の壁面に設置されている広告ボードで宣伝するため視認率が高いのですが、その分だけ広告費用も高額になることを念頭に置く必要があります。
交通広告の費用・料金(飛行機)
【ソラシドエアー】
機体ステッカー:13,200,000円(6ヶ月・300×360)
紙コップ広告:1,870,000円(250,000個・7.3×8.0)
機内サンプリング:165円(1個)+管理手数料220,000円
機内誌広告:357,500円(月刊1回・表紙裏1ページ)
「飛行機」の交通広告は、飛行機を媒体としたさまざまな広告手法があります。
巨大なジャンボジェット機の表面にステッカー広告を準備することになりますので、塗装費用だけでも相当なコストがかかるため、金額は半年で1機あたり1,000万円と非常に高額になります。飛行機の利用者や空港に来ている人がターゲットとなるため、リーチ数も大きな数となるでしょう。加えてメディアなどで取り上げられる可能性もあります。
機体ラッピングは高額ではありますが、飛行機広告は決してハードルが高いものではありません。機内で配布する情報誌への広告出稿や使用する紙コップへの広告出稿であれば、30万円〜200万円ほどの金額で利用することができます。
そのほか、航空会社によっては機内で試供品に協力をするといったサービスプランを用意している場合もあります。
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