ビジネスにおいては「宣伝」という活動が欠かせません。宣伝により売上アップや認知度アップなどの効果を出すためには、話題性の強さも重要です。ユニークな宣伝方法を実施することで、より多くの人に情報発信されビジネスの成長を加速させることができるでしょう。本記事では、思わず興味を惹くようなユニークな宣伝方法の考え方について解説します。
宣伝の「何を」ユニークにするのか
まず、宣伝のどの部分をユニークにするのかについて解説します。大きく分けると、以下の3つの考え方があります。
- 広告のクリエイティブをユニークにする
- 企画内容をユニークにする
- 宣伝手段をユニークにする
それぞれの手法ごとにさまざまな考え方がありますが、いずれにして消費者が「これはユニークだ!」と感じてもらうことが重要です。
話題性のある宣伝方法はメディアに取り上げられる可能性がありますし、クチコミや評判が広がることで宣伝を目にしていない消費者にも情報が伝わります。
広告をユニークにする考え方
次に「広告そのものをユニークにする」という考え方について、有名な事例をいくつか紹介します。
自虐的なキャッチコピー
画像引用:ねとらぼ
例えば大手レストランの「ガスト」のクリスマスCMでは「クリスマスは年に一回の大切な日。彼女のためにも、ガストで過ごしてとは言いません。でも、26日からお二人が気軽に楽しく過ごせる価格でお待ちしております。」という、自虐的なネタで宣伝をしています。
本来、宣伝とはポジティブなものであるべきでしょう。多くの消費者はそう考える中、あえてネガティブな内容で宣伝することによって、逆に話題性が高まり、ネットなどを中心に多くの情報が拡散することになります。
重要性が伝わるデザイン
画像引用:PLAN-B
とある求人広告で「WE ARE LOOKING FOR GRAPHIC DESIGNER」という殴り書きの文字を、Windowsに入っているペイントツールで書いた画面をスクリーンショットしてそのまま掲載したという事例があります。
本来、宣伝はデザイン性が問われるプロモーション方法です。しかし、あえてデザイン性をすべて捨て去ることで、この事例では「デザイナーが本当に足りていない」というメッセージが伝わりやすくなり、話題を呼んで宣伝効果を高める結果となりました。
錯覚で目を引き付けるデザイン
画像引用:PREDGE
世界初の自己活性洗剤「パーシル」の宣伝広告では、目の錯覚を利用した事例があります。緑のボトルを10秒以上眺めていると、目の錯覚で赤い「WINE」の文字が消えて見えるという仕掛けになっています。(クリックして画像を拡大し、画面に近づくと実感できます)
本来、宣伝とはわかりやすいものである必要があります。目の錯覚という、時間をかけて眺めないと内容がわからない手法をあえて活用することにより、話題性が高まり、隠れたメッセージに驚愕する消費者を増やすことで高い宣伝効果を狙っているのでしょう。
比喩表現を用いたデザイン
画像引用:bitA
大手自動車ブランド「メルセデス」の宣伝では、アクティブパーキングアシスト機能(自動駐車アシスト)の安全性を訴求するために、子どもたちを超音波センサーの比喩として描いています。
バックする車と三輪車に乗る子どもの間に「叫ぶ子ども」と「風船を鳴らそうとする子ども」と「ホイッスルを鳴らす子ども」が3段階で描かれており、障害物に接近するほど大きな音を出して、事故を防いでくれることを比喩表現として伝えています。
直接的な表現を使うのではなくあえて比喩表現を使うことでチャーミングな印象を与え、広告を見た人に対して「メルセデスの車にはアシスト機能が備わっている」ということ強く記憶させることができます。
機能を大げさに表現したデザイン
画像引用:PREDGE
フランスの眼鏡屋「Keloptic」は、雑誌に出稿したプリント広告に印象派の代表的な作家であるゴッホの「自画像」を登場させ、印象派の作品である自画像をレンズを通して見ると実写のような鮮明な見た目になるという大げさな表現をしています。
宣伝では、こうした大げさな表現をすることによって、その宣伝したい商品の機能の本質を上手に表現することも可能です。上記の事例では誰もが知っているゴッホという対象を上手に活用することで、扱っている眼鏡の品質が良いことをうまく宣伝できています。
誰もが知っていることを文字ったデザイン
誰もが知っている音・語感を文字ってみるのもユニークな宣伝方法の1つです。
サントリーは「角ハイボール」の宣伝ポスターに「春はあげもの」というキャッチコピーを使いました。言わずと知れた清少納言の枕草子の一説をオマージュしたコピーです。
くすっと笑えることはもちろん、既に日本人にインプットされている「響き」であるため、覚えてもらいやすい、受け入れやすいなどのただただ面白いだけではなく、プロモーション効果にも期待できます。
画像参照:サントリー公式Twitter(X)
流行に乗っかったデザイン
流行りの芸人・芸能人を使った広告はユーモア溢れるものになりやすいです。
株式会社SODAが運営するスニーカーやトレードカードの販売アプリ「SNKRDUNK (スニーカーダンク/スニダン) 」は、キャンペーンの告知に人気芸人である、とにかく明るい安村さんを起用しています。
持ちネタの「安心してください履いてますよ」のフレーズを、「安心してください鑑定していますよ」に言い換え、コミカルにサービスの安全性を訴えかける内容に仕上げています。
画像参照:PRTIMES SODA inc.
顧客あるあるを利用する
あるあるネタはユーモアの鉄板です。
シーリングファンの専門小売販売・取付施工・取付に伴う電気配線工事を行う企業「株式会社アイ・ヴィレッジ(通販専門店fazoo運営会社)」 は、見ている人が思わず頷くような、シーリングライトに関するあるあるをフックに共感を生み出す動画広告を作成しました。
自社サービスを利用する顧客がよく体験する困ったことを笑いに転じさせて紹介することで、インパクトを残しつつも自社サービスでは、そのような不安や困り事を払拭していくことを強く訴求できます。
企画内容をユニークにする考え方
次に「宣伝の企画内容をユニークにする」という考え方について解説します。
体験型の企画
「体験型」の宣伝企画では、消費者に何らかのイベント等に参加してもらうことで宣伝を行います。
例えば、SNS上やWeb上でクイズ企画をするとします。ユーザーは「クイズに参加し、回答を考え、送信する」という一連の体験をすることができます。シンプルに広告を打ち視認してもらうよりも、自社のサービスや商品をユーザーの記憶に残すことができるでしょう。
オンライン上での企画だけではなく、オフラインでの体験型企画を行うこともできます。コカ・コーラ社が実施した「ハグをするとコカ・コーラが出てくるキャンペーン」が例として挙げられます。
ブランドを好きになってほしいというメッセージを込め、自動販売機を抱きしめるとコカ・コーラが1本出てくるという、ユーザーを巻き込んだキャンペーンを行い、話題性を生むことに成功しています。
応募型の企画
「応募型」の宣伝企画では、懸賞などに応募してもらうことで宣伝を行います。
以前は電話や郵送による応募が多かったのですが、昨今ではSNSを活用した応募型企画が多く利用されています。SNSであれば情報を拡散してもらいやすいですし、ユーザーも気軽に参加できるので高い宣伝効果を発揮します。
宣伝手段をユニークにする考え方
最後に「宣伝する方法をユニークにする」という考え方について解説します。すでに取り組んでいる企業も多いので、もはや特異的とまでは言えない手法も多いですが、以下のようなユニークな方法があります。
SNSを用いた宣伝
「SNS」を用いた宣伝は、若年層を中心に多くのSNSユーザーに対して宣伝することができます。SNSの黎明期にはユニークさが注目されていましたが、現在では一般化しているため、たんにSNSを用いるのではなく、SNSを使って何をするのかという点を考えることが重要です。消費者たちが「なんだこれは!」と驚く、インパクトのある方法であれば、情報拡散をしてもらえる可能性が高くなるでしょう。
協賛特典を利用した宣伝
団体や企業などに協賛を行った見返りとして、イベントや施設、Webページなどでプロモーションをしてもらうというユニークな宣伝方法があります。
例えば大学の学園祭に協賛し、学園祭内でポスターの掲載や協賛企業の宣伝を行えば、学生を中心にプロモーションをすることが可能です。
学生をターゲットに宣伝をしたいのであれば「ガクセイ協賛」にご相談ください。ガクセイ協賛は800大学5500団体(2021年12月現在)が利用している協賛プラットフォームで、学生に向けた宣伝のお手伝いをしています。
インナーブランディング
「インナーブランディング」とは、自社の社員に企業理念や商品・サービスの価値などを知ってもらうことにより、企業全体で同じ価値観を共有するための活動のことです。
自社の社員に、自社商品のことを深く理解してもらうことで、自社の社員から宣伝効果を広げることができます。社員がしっかりと自社商品のことを理解しているため、店舗や営業で宣伝を行うにあたって顧客から信頼される可能性が高まる手法です。
あえてミスマッチしたチャネルを選ぶ
やり方次第では「ミスマッチした手段」を選んだ宣伝手法がヒットする可能性もあります。
株式会社メルカリでは、あえて「チラシ広告」を使った宣伝を行うことで、フリーマケットアプリ「メルカリ」の40~50代の利用者を増やすことに成功しています。スマートフォンアプリの宣伝であれば、Webプロモーションが一般的です。もちろん、40~50代のユーザーも認知を増やすことができれば定着してくれるというロジックをもとに行った施策ではありますが、自社サービスとの親和性が低いチャネルをあえて利用することで、これまで訴求できていなかったユーザー層にサービスを宣伝することもできます。
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